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アステロイド・シティ観てきたよ【ナニタリタイ】

前置き


地球の皆さん、こんばんは~!合法ショタ人型カビ宇宙人系Vtuberのゴウゴリウム・グウゴヴィラムです。学名です。
この記事を読むにあたってこれらの情報は覚えていただかなくてけっこうです。
何も詳しくないけど語りたい、略してナニタリタイシリーズ始めていきます。
ネタバレ注意です。
予告編公式サイトに記述のない物語に触れます。
この映画にはある仕掛けが隠されています。未見の方は、是非このまま記事を読まずに観ていただきたいと思います。
(見出し画像:J・C・ライエンデッカー)

アステロイド・シティ

公開日: 2023年9月1日(日本)
監督: ウェス・アンダーソン

あらすじ

1955年アメリカ南西部。舞台となるのはアステロイド・シティ。
大昔に隕石が落下したクレーターが唯一の観光名所である、寂れた砂漠の街。
アメリカ軍の科学実験基地の拠点でもあり、科学賞コンテストで優秀な成績を収めた、5人の天才児とその家族たちが招待されていた。
天才児の一人ウッドロウと3人の妹を抱え、シングルファーザーとなってしまった戦場カメラマンのオーギー。
娘のダイナとあまりうまくいっていない、コメディエンヌとして名を馳せる女優ミッジ。
またその他の天才児たち、革命的な学校新聞を売り出すリッキー、無茶をしなければいられない性格のクリフォード、ミッジのファンである聡明なシェリー。
バスを乗り過ごしたカウボーイ・バンドのモンタナ、軍のギブソン将軍、女性ながら責任者を勤めるヒッケンルーパー博士……。
個性的な人々で渋滞を起こしているのに、更に宇宙人まで訪れて!? 果たして運命やいかに。

感想

なんだー!? 難しいぞこれ。
難しかったぞ。終わった後しばらく、自分は今何を観たのだろう?という気持ちにさせられた作品でした。
(ウェス・アンダーソン作品はダージリン急行→ムーンライズ・キングダム→グランド・ブタペスト・ホテル→ザ・ロイヤル・テネンバウム→犬ヶ島→コチラの順番で観ていると思います。
観てないやついっぱいあるね)

何も知らないカビとしては、薄めたバグダッド・カフェ博士の異常な愛情とFall outシリーズのシニカルな笑い部分を
まぜこぜのシェイクにしたみたいな、そういう印象を受けました。アメリカンなチェリーもつけよう。

初っ端からおヒゲが素敵なおじさんによって、これからの物語は脚本家コンラッド・アープによって描かれた劇中劇であることが明かされます。
カラフルな世界が『アステロイド・シティ』というドラマの話であり、白黒の世界が現実の話……と思っていましたが後述。

虚構の物語が念押しされた7日間の後に特に劇的なこともなく終わる話ではあったけど、
終わり方が重要なんじゃなくて、終盤で登場人物と自らがあやふやになっていき苦悩するオーギー役と亡き妻役の対話だとか、
無茶をしがちなクリフォード役の
「ずっと挑まなきゃ誰も僕なんかに気づかない この宇宙では」
というような台詞にいちばん言いたいことが込められてるんじゃないかなと思いました。
あのあたりの眼差しよかったな〜。キャラクターという鏡を通して、根底に創作者の苦しみを映しだす、という話でもあったのかも。

モーテルの窓を隔てて交流するミッジさんとオーギーさんのやり取りもその延長線であったと思う。
微笑ましかったんだけど最終的にやっちゃった……のか?
あれ寝てなかったらもうちょっと違ったんじゃないかな。どうかな。まあ全部脚本の通りに進んでいるんだけども。
それぞれちょっとした恋愛模様が描かれてましたが、それでいうと曲者の子どもたちを率いる教師のジェーンと陽気なモンタナとの交流もまた可愛らしかったですね~。もっといっぱい観てみたかったなあの辺りはな。

僕は演劇のこと何も分からないし、事前に何も調べないで行ったので、演劇論とか心理学とか当時の情勢だとかを知識として持ってたら、
もっともっと面白かったんじゃないかなぁと思います。

劇作家たちのゼミも、現実として描かれた訳でなくてまた現実を元に劇にしたってことなんですかね。
コンラッド・アープや役を演じていった登場人物の話すら現実じゃなくて、劇中劇を描いた劇ですよってことなのかな?
目覚めたければ眠れ、目覚めたければ眠れ、の唱和のシーンだけ空気感がずっと違うというか。
あのあたりこそ観客である僕たちに強く訴えかけ、第三の壁を突破する場面であったのかもしれない。

解説役のおじさんがドラマの最中に役を演じている登場人物に接触したり、
厳戒態勢敷いておきながら全てが明かされてしまった次の瞬間観光名所と化していたり、
あ~これはコメディ映画なんだな~という印象ではありました。
でも観終わったあとは寂しさというか悲しさが強めでもあったかも知れない。
なぜなら途中であまりにもサラっとコンラッド・アープが事故で亡くなったということが知らされるから。
お、お前! それを知らされて僕たちはどうしたらいいのさ!って投げ出された気持ちになりましたね。
そういった意味で、アステロイド・シティという作品はもっともっと膨らませられただろうけど、二度と続編は綴られない。
オーギーとミッジ、ウッドロウとダイナ、モンタナとダイナ、彼らの関係も進むことはないのでしょう。
なんて寂しいことだろう。

ゆっくりうとうとしながら観るのにもいいと思いますが、二回目知識を得た状態で観たらより一層楽しめそうですね。
スルメみたいな映画なんじゃないかな。いやシェイクだな。

冒頭の役柄紹介の部分はもっと必死に頭に叩き込んでおくべきでもあったかもしれない。
長台詞や情報量が多くて圧倒されました。楽しかったです。

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