残詩 #55

ホッとしている夜だ

すぐに忘れる
だから生きていられる

海の中で知り合い
海の中で別れる
それは自然なこと

似たような存在に出会い
決定的な違いがわかり
別々の場所へ

僕は僕の好きな方に泳ぐよ

そっちへ行ってもしょうがないよ

言われても

僕らのダイアリーが流れている
頭の中

別れのあいさつは
しない方がいい

僕は黙って立ち去る

楽しくない

理由などないから

そもそも
楽しくない

理由だから

無言電話のブルースは
いまもどこかで流れている

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