残詩 #8
電話したけど
会話は弾まず
早めにカーテンを閉めた
少しでも暖をとるために
今日は雪が降った
パラパラとだけど
明日は映画を観に行こうか
もう地球も飽和状態か
水が足りなかったり増えすぎたり
今日が最後の特売日らしい
でも買うものはない
今のところ欲しいものがない
またいつものようにコーヒーを飲む
有名になったら
もう
無名でいたい
とは言えなくなるだろう
無名のうちに言っておく
僕は無名のお金持ちになりたい
無名でいたい
負け惜しみだと
キミは言うだろう
缶ビールがもう一本冷蔵庫に入っている
「インパクトの瞬間」という小説を思い出す
あっという間に僕は飲み干す
精神は放浪し
コンビニで炭酸水を求めるつもりか
遅発性酩酊
これでお金持ちへの夢は途絶えた
僕の意志の弱さを
遠巻きに見ておいてくれ
全ては実験
ヒマを買ったタバコ
歓喜の瞬間を観て
眠る
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