【勝手な詩】 白紙
それでも紙は白く、待っている
空白の中に眠る、無数の言葉たちの夢
何も書かれず、ただ待っている
指先が震え、ペン先が凍る、その瞬間を
白い海に漂う影のように
言葉の欠片は見えない手を持つ
ひとつ掴むと、すぐに砕け散る
霧の中で語る者たちの無言の声
それでも紙は白く、待っている
書かれぬ言葉の重さに沈む、白い夜
黒いインクが、薄氷を破るように
じっとりと染みていくその時を
紙は待っている、終わりもなく
書かれることなく、意味を孕み続ける
そのまま、ただ純粋な白さを抱えて
待っているだけのものが語る詩を
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