【勝手な詩】 苦味と光
暗闇の隙間で、
そっと咲く苦味がある。
舌に触れた瞬間、
言葉は遠のき、
記憶の底に沈む
砂粒が風に運ばれるように。
けれどその苦味は、
ひび割れた地面に染み込む雨、
やがては光の種を宿す。
見えない何かが揺れ動き、
次第に空は白く滲む。
ひとつの窓がひらき、
透けた光がゆっくりと注ぐ。
痛みの中で、
それは温かさに変わる。
再び立ち上がるとき、
苦味は黄金に輝く翼を持つ。
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