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【勝手な詩】 仕事

生きてるだけで仕事なんじゃないかなぁ、
呼吸するたびに、世界が小さく震えている。
朝が来るたび、目を開けて
一日の帳簿に見えない記号を書き込む、
それだけで十分じゃないか。

歩く足音が、時間の針を押している。
誰かのためでもなく、自分のためでもない、
ただ、存在するということの重みが
静かに、けれど確かに、
宇宙の帳簿に記されていく。

太陽が昇るのも、木々が揺れるのも、
なんだか大きな歯車の一部みたいで、
君もその一部だと気づけば、
ただここにいるだけで、
一歩、二歩と進むことが
もう仕事になっているんじゃないかな。

失敗とか成功とか、そんなことは置いといて、
心臓がリズムを刻むたびに、
目には見えない報告書が書かれる。
「今日も生きた」
それだけで、十分な証明じゃないか。

空を見上げて、
風が吹くのを感じる。
その風も、君も、どこかに向かって
ただ漂うだけで、仕事をしているのかもしれない。
生きてるだけで、もう、十分なんだ。

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