【勝手な詩】 ただ待つ
夜の中に種を埋める、土の音は無い
音の無い土、耳元で眠る
冷たい月が手のひらに咲き、
時間はまるで飼いならされた風船のように漂う。
誰も気づかない、草のささやきに、
誰も見えない、影が踊る瞬間に。
だが、葉が落ち、目が覚めると、
言葉は虹に変わるだろう。
その日、街はひっくり返り、
木々は雲に生え、空は川となり流れる。
言葉が空を裂き、
光が目の裏で踊り出す。
焦らずに、その日を待つのだ。
種を数えるのでもない。
ただ、風に触れ、
無言の舞を踊るだけだ。
彼らが気づく日は、
種が目覚め、空に息を吹き返す時。
その日、世界は初めて自分の影を見るだろう。
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