桜の季節に
桜が好きだ。日本の春には、桜。もはや様式美のように感じる。
桜の美しさは、何と言ってもその儚さにあると思う。一枝ごとに咲き誇る花びらが、一晩の雨、一陣の風に散ってしまうその儚さに、なんとも言えない魅力を感じるのだろう。
その儚さはまた、仏教で言うところの無常観にも、通じる。
「明日ありと 思う心の仇桜 夜半に嵐の吹かぬものかは」(親鸞)
この命が、明日もあるだろうか? そこまでの無常観を持てない私は、当然明日も生きている。と思ってしまう。
でも、その保証は誰にもない。
だから、毎日を後悔のないように。こうすれば良かったと、思わないように。今出来る精一杯を毎日にぶつけていたい。
桜が好きだ。この儚く、美しい世界が好きだ。そう思える、この今を、今日もまた、生きていく。
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