観光庁事業 瀬戸内海国立公園へ視察に行ってきました
環境省の国立公園における感動体験創出事業の一環で、瀬戸内海エリアを調査してきました。
環境大臣が自然公園法に基づき指定している瀬戸内海国立公園は、日本最古かつ最も広大な国立公園の 1 つで、瀬戸内海に浮かぶ約 3,000 の島々で構成されています。
1934 年に設立されたこの公園は、自然の美しさ、豊かな歴史、文化的意義が見事に融合しています。
しかし、それほど色々な可能性を持ち合わせている日本最大の国立公園といえど、ここにはまだ、持続可能で有意義な観光をするために成長すべき課題がいくつか残されています。
瀬戸内は、世界的に注目を集める美しい島々とサイクリングコースがある、非常に魅力的なエリアです。内海の多島海景観を眺められる展望地も多数存在します。風景の中にアートを溶け込ませている直島のような島は特に有名ですが、これらの有名なスポット以外の、尾道から今治に至るしまなみ海道のようなルートも、検討する価値があります。
澄み切った空と素晴らしい景色が楽しめるサイクリング体験は格別でしたが、期待値コントロールをする必要性も浮き彫りになりました。欧米豪市場の観光客の多くは無人島を期待しているため、目に入ってくる産業的景観には驚かされることも多いと思います。観光客の期待に応えるための改善策を考える必要がありそうです。
自然と産業の融合はユニークではありますが、観光客の満足度を高めるためには、注意深くストーリーを組み立てる必要があります。例えば、今治造船所は、巨大な海洋航行船がどのように建造されるかを紹介するツアーとして利用する、というのも良いかもしれません。
様々な橋から全体の風景を眺め、それぞれの島に降り、そこでの多様な地元の生活様式を見ることは、想像以上に感動的でしたが、各島の違いを理解するのは簡単ではなく、特に海賊が支配した海路の歴史を理解するのは、ほとんどの観光客にとって複雑で難しいものと思われます。
現在、伯方島で開発中の新しいオーベルジュスタイルの宿泊施設には、ある程度は期待できるものがあります。多額の投資と遮るもののない海の眺めを備えたこの施設は、サービス レベルが期待に応えられれば、魅力的な場所になる可能性があります。ただし、ターゲットとするラグジュアリー層の観光客に快適な体験を提供するためには、アクセスと交通の流れを慎重に考慮し、計画する必要があります。
今回は探索する時間があまりありませんでしたが、生口島の瀬戸田町は、宿泊施設や食事の選択肢が充実しており、予算に応じて選ぶことができる、ハイライトとなるような場所でした。高松と直島には近々マンダリンオリエンタルホテルが開業される予定なので、これにより他の開発業者も瀬戸内西部を検討できる道が開かれるかもしれません。
瀬戸内の潜在力は膨大ですが、その潜在力を発揮するには、観光モデルを改良し、持続可能を実現することに重点を置き、産業と自然の景観を効果的に融合する必要があります。こういった取り組みにより、瀬戸内は日本の国立公園内で真に輝く、最高の観光地となっていくことでしょう。
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