音楽にこだわる理由

「音楽じゃなくていい」と思っている。

正確に言うと音楽以外でもやりたいことやできることがあればそれが代わりになってもいいと思っている。

この前「じゃあなんで音楽にこだわってるの?」と聞かれて詰まってしまった。何でもかんでも言語化できたら苦労はしないけれど答えれなかったのがもどかしかった。

それから数日。しっくりくる答えが見つかったような気がするので書き留めておこう。


僕は物事が続かない人間だ。何かに熱中してもすぐに飽きたり楽しくなくなって辞めてしまう。

だけどギターや歌、あと言葉を書くことはなぜか飽きなかったし練習だって楽しくやれた。たぶん単純に向いていた「できること」だったのだ。

「できること」は「ありがとう」と言ってもらえる。それが「やりたいこと」になっていく。

求めてもらえるから苦しい時もそれ以上の希望を描いて続けていられたし、今までいろんな仕事をしてきたけれど得意なものも、褒められるものも、楽しいと思えるものも音楽と文章以外には見つかっていない。

特に音楽は仕事としても認めてもらえるようになってきた。「やりたいこと」が仕事にできるなんて幸せなことだ。

それがひとつめ。


理由はもうひとつある。

僕の中の感覚、考え方はどうにも周りの人に疑問を与えやすいらしい。世間知らず過ぎたこともあるけれど自分の感覚を否定されるのは苦しいものだ。

「どうにかみんなと一緒にならなきゃ」と己を矯正して過ごす毎日に心はやはり反発した。素直に生きたい。思っていることを言いたい。苦しみを吐き出したい。許されたい。そんな想いは歌やブログやツイッターに向かった。

歌の中では、作品の中では僕のその想いは誰かの希望に変わった。歌があったから「ありのまま」を保っていられたのだ。

そう、僕は「ありのまま」でいることを許されたい。思っている通りに生きてもちゃんと社会でやっていけるんだぜと自分や周りに証明したい。その上で周りの大切な人を守れるようになりたい。

そこに一番近いのが「できること」「やりたいこと」である音楽だったのだ。今持っている中で未来を切り開くための最強の武器。だから手放したくなかった。

そんなの理想だと言われるかもしれない。

でも、理想だからやるんだぜ。



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後藤大
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