社員食堂どうでしょう?
こんにちは。
照明器具メーカーでライティングデザインを生業にしおりますgotoと申します。
年間200件ほどデザインをこなしています。
照明の事を考えるのは超めんどくさいので、私にぶん投げてくださいの精神の持ち主。
アフターコロナの職場はどう変わったか
コロナ禍の前より、働き方改革など職場環境を見直す動きはありました。
WELL認証のようにオフィス環境と健康の調和を評価するような制度もその一つです。
↓日本でのWELL認証認定プロジェクトの一覧はこちら。
「優秀な人材を何とか確保したい」といずれの企業も考える中、オフィス設計におきましては
①健康面を含む快適性
②出勤したくなるような場を作る
を配慮する傾向にあります。
コロナ禍における行動制限下に広まったリモートワークが、従来のような「出社させて監視して働かせる」
スタイルの維持を困難にした、と言えます。
「社員は経費ではない」をデザインで示すには
とは言え何から手をつければ良いか?
時間、労力、予算とオフィス改装(または引っ越し)は思い負担を要します。
設計やコンサルなどの専門家の知見も必要です。
個人的には「社員食堂」から取り掛かるのがオススメです。
「食堂なんて無いよ…」
では、休憩スペースと呼び変えてもいいでしょう。
休憩といいつつ同僚と話が弾んで気分転換になった。
新しいアイデアが思いついた。
という経験はどなたもあるのではないでしょうか?
むしろそれを促す場にしてしまえば良いんだ!
と力を入れる企業も多いのです。
(外資系は以前から取り入れていますが)
こちら内装施工会社の乃村工藝社さんのレストフロアが紹介されています。
オフィスや商業施設、ホテル、博物館とあらゆる業種をカバーする業界では超有名企業です。
デザインや企画に秀でた人材の豊富さでも有名です。
それを示すように、レストフロアは様々な趣向が凝らされており、大変刺激的です。
休憩と言いながらも、常に人が集い丁々発止で議論が活発に行われる場になっています。
どのような案件でも、流れ作業的に処理するようなことは絶対にしない
意気込みを感じます(また見学したいというか働きたい)。
物置のような休憩所を「イケてる場所」に
画像はフードホールと呼ばれる施設のものです。
イ◯ンのフードコートと何が違うの…?
正直同じです。
ニューヨークで流行ったスタイルをフードホールと呼称して、大人向けのゴージャスな内装にした、といった感じです。
東京では新宿のNEWoManが走りだったような…
いやいや。
こんなお祭り騒ぎな空間にしたら休憩どころじゃないでしょう…
そりゃそうです。
その要素を部分的に拝借するのです。
こちらは某社員食堂のプランです。
「あ~もう昼か…何食べよ」
↓
「お昼だ!イエ~!」
のノリにしたくての提案です。
板状の板金で矢印形状の箱を内装工事で作り、その中に安いLED照明を
並べています。
箱の内側は赤なりオレンジなりの色を塗ればより華やかな印象になります。
この配膳カウンターまわりに予算を全振りして、他は最低限の照明をサラッと流すに留めました。
(ちなみに没になりました)
従業員を大事にする=従業員の「感情」を大事にする
「どうせお腹を満たすだけだから」
「どうせすぐに仕事に戻るから」
「どうせ…(略
人間は感情の生き物です。
自身をぞんざいに扱う環境に対して芽生えるのは愛着ではなく反発心です。
米ギャロップ社の調査では、勤め先へのエンゲージメント率の平均は
約45%です(OECD加盟国)。
それに対し、日本は僅か5%。
従業員を削減すべき経費として扱ってきた結果、会社はイヤイヤ働く場所になってしまいました。
辞める機会を常にうかがいながら…
休憩場所をオシャレにしただけでそれらが解決できるわけありません。
しかし、事業は持続することが第一。
そのためには「ここで働きたい」と人が集まることが重要です。
今は国がブラック企業の詳細を公表する時代。
場をどのようにしつらえるか、は予想以上に見られています。
思想や思考がそこに必ずあらわれるから…