ドサクサ日記 10/21-27 2024
21日
富士市にある防音扉のショールームへ。防音扉の性能というのもいろいろあって面白い。建物自体の性能も然り。どれくらい音量をリダクションできるのかというのが指標になっていて、65dB以上カットできるとかなりいいのだということが分かった。とても勉強になった。その後、藤枝に移動。蕎麦屋と迷ったが、せっかくなので寿司屋へ。鰹の刺身と太刀魚の天ぷらがとても美味しかった。しかし、どういうわけか、天ぷらをオーバラップするかたちで寿司がドカンと先に出てきてしまった。なんという早業。とんでもない速度で握っているに違いない。天ぷらは熱々で、勢いよく食べることができない。そして、とても美味しいので出来たらゆっくり食べたい。が、天ぷらの隣では板に乗せられた寿司が少しずつ、いや、急速に乾いていく。最初にまとめて頼んだのがいけなかった。腕白に食い散らかした。
22日。
早朝から藤枝フィールドレコーディング。寿司の後で出かけた夜の蓮華寺池周辺は「虫の世界」という趣だったけれど、早朝はたくさんの鳥が鳴いていて、「散歩する高齢者と鳥の世界」という感じだった。環境音を収録していると遠くでラジオ体操が始まった。爆音なのか池の反対側にも響いてきて、録音どころではなかった。仕方がないので、一緒に遠隔でラジオ体操を行った。なんだかとても清々しい気持ちになった。その後は、岡部というところでとっても美味しいおむすびを食べ、ホテルに戻って休憩した後、Music Inn予定地の土蔵で弾き語りの収録。そして土蔵本来の響きをアプリケーションで収録した。これで「藤枝リバーブ」として、ミックスのときに使えるようになる。新曲の弾き語り音源、フィールドレコーディング音源ともに、クラファンのリターンになっているので、チェックしてほしい。
23日。
ツアー中のため、期日前投票に向かう。「ルールを守る」なるパワーワードが自民党の政権公約に書かれる時代をどう考えればいいのか。ルールの是非を含めて、ルールについて考える立場の人たちであるのだから、なんというかもう言葉にならないような気持ちになって、脱力してしまう。けれども、それぞれの人生もそれを含む社会も週末からなくなったりしないわけで、どうあれ参加しなければならない。
24日。
福岡公演。とても楽しく演奏した。この日は100歳で亡くなった祖母のお通夜だった。ツアーのため、葬儀にも参加できず。残念だけれど、静岡に帰ったときに亡くなって、お別れの挨拶だけはしてきた。祖母は雰囲気の柔らかい人で、ディープな静岡弁で話し、いつも「ヘホハホ」と笑っていた。ゆえに、親類で唯一「1000円ちょうだい」と緊張せずに伝えられる人だった。会うと安心する人だった。
25日。
ラジオ収録で糸島へ。生成AIで町おこしをしている平野さんの話を聞きにいった。生成AIとは、基本的に言語でコミュニケーションすることになる。ゆえに、私たちがどうあるかが問われる。生成AIは思考のある領域をガバッと引き受けてくれる。しかし、私たちの入力が誤っているということは前提としていない。というわけで、悪意がここまで躊躇いもなく顕在化した世の中では、ディストピアに向かっていくというのが平野さんたちの見立てて、ゆえに、この黎明期とも呼べる期間で、その豊かな使い方に道筋をつけるのだという、あるいは、アナキズム的に、私たちのコミュニティーならではの形を見つけるのだという意思というか意欲に関心した。とても貴重な話が聞けた。糸島への邂逅を記念して、海辺の森の中にある歯医者さんで即興演奏を収録。日記みたいな演奏の録音は、生成AIにはできないこと。
26日。
熊本。世の中にはパワースポット的な人がいる。とにかく会うと元気になる。TOSHI-LOWさんとか、細美君とか難波さんとか、ハグしてもらうと魂が蘇る感じがする。野原さんも同じで、会うと元気が出る。人生はもう、そういう人間同士の関わり合いの積み重ねだけでいいような気もする。が、放っておいてくれないところもある。俺もまた、グズグズの社会や世界の一角。
27日。
鹿児島。4日間で3本のライブは楽しいけれど、年々、疲労回復の速度は遅くなっている。それでも魂は老けない、というか過去も未来もなく現在しかないような気がする。疲れには豚肉だということで、黒豚しゃぶしゃぶを皆で食べた。まずはそのまま出汁でどうぞと言われたが、ポン酢をかけたら3万倍くらい美味しかった。ポン酢最高。ビートルズのビデオを見て、チャゲアス大会をして終了。旅は続く。