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【覚書・感想】文学フリマ大阪12

先日は文学フリマ大阪12、ありがとうございました。

2017年の第一回文学フリマ京都から関西を中心に毎年出店してきました。いつものように覚書を書いていきます。

データ

出店歴:

文学フリマ参加回数通算14回目(前回:文学フリマ東京38)、個人活動歴8年目

出品:

・『写真集×短歌 イスタンブール旅行記』(2024年最新刊、第2刷)
・『詩集 水の反映』(2023年刊行)
・『詩集 人工島の眠り』(2023年刊行)【完売】
・『グレート・パンプキン』(ファンタジー)【完売】
・『グレート・パンプキン2』(ファンタジー)
・アトリエゴタンダコラボアクセサリー「TÜRKÖRI-異国情緒-」シリーズ

無料配布:

・ゴタンダクニオのほん 図書目録二〇二四(A4カラー折本)
・近刊案内『台湾土産話』内容見本(A4モノクロ)
・チラシ『写真集×短歌 イスタンブール旅行記』(A4カラー)

経緯

・今年4回目の出店のためできれば新刊を出したかったのですが、忙しくて見送らざるをえず、『イスタンブール』を擦り続けることに。それと次の印刷費用を稼がないといけなかったので、今回は既刊だけで乗り切ることにしました。

成果・印象など

・過去最高の来場者ということでものすごい人出。にぎわって嬉しい反面、素通りされる割合も上がったような気がします。来場者も目的地以外に見て回ったり買ったりする余裕がなくなってきたような印象を受けました。
今年の5月の東京会場でもそうでしたが、無料配布さえ断られるとなると、ちょっぴり心が折れるのです。ただ、受け取ってもらえるとけっこうな確率で立ち読みなどのアクションをしてくれるきっかけになるから、ただ座って人を待っているだけよりもやっぱりあったほうがいいです(後日注文などのチラシの効果は出ていないから、カラー印刷すべきかどうかをいつも迷います)。

・足を止めてくれる人は少なくなっても、接客可能性にかけて在席し続けていて、ずっとブースにいました。体感としては「しばらく人が通らないな」という時間はありませんでした(どちらかというと出口が近い位置だったので、人がまばらなのは本当に開場直後だけでした)。合間を見て休憩できる感じもなく、数十秒の合間を縫ってゼリー飲料を流し込むので精一杯。大量に刷ったチラシを撒くことを優先し、開場速報や完売速報ツイートもすっかり忘れるしまつ。

・『イスタンブール旅行記』が前半でまったく売れずに諦めかけていたのですが、ほとんど後半に集中して売れました。増刷告知をしてからは2刷を優先的に出してはいますが、部数的には最初の刷り部数を超えたので、今まで基準にしていた部数だと1年もたなくなってきた印象です。増刷はお金がかかるので、できれば避けたく、初版の部数を多めに設定する必要性を感じています(そうなると初期投資がかさむので慎重に判断しないといけないのですが)。

・価格2,000円の最新刊を出すことにより、1,000円未満の既刊の売れ行きが上がり(?)、在庫僅少のものがなんと2タイトル完売しました。去年の9月の新刊だった『水の反映』もだいぶ底が見えてきて、ありがたい反面ちょっと寂しい感じ。
「既刊を売り切ったら新刊を出す」というサイクルもいいけれど、「既刊がなかなか売り切れないので並べる種類が毎年増えていく」、という活動時期が長かったこともあり、たくさん並べて好きなものを選んでもらいたい、という気持ちがあります。手に取りやすい価格帯も継続的に作っていく必要性を感じました。

・以前は300円~400円の簡素なつくりで、装丁は色違いで揃えていたら(色を変えるくらいの工夫しかできなくて、結果、とてもカラフルなディスプレイになったのです)、結果的に人の目を引いたということがありました。当時は手製の帯の工夫でさえもほめてもらっては、飛び上がらんばかりに喜んでいたくらいだったので、自分の組版技術がどんどん上がっているとはいえ、これが当たり前になっていくと「高そう」と敬遠されることも増えるだろうなあという予感もあります。
『イスタンブール』は文フリ以外の選択肢を模索するため、高価格帯を作ってみたかったという挑戦的な意味があったのですが、客観的にゴタンダクニオの作家性は今後どっちの方向性に行くのかなという感じもあります。本人としてはいろいろ作りたいんだから、もちろんいろいろあっていいんだけど、さすがにバラバラすぎるかも。

過去のディスプレイ

・一方で、クオリティの高いものを作ると、本づくりに憧れのある人がいろいろ聞いてくれるのも嬉しいのです(聞かれればわりと喜んで答える派!)。いつか出店側で会いましょうね、と言って別れることも幾たびかありました。

・今回新刊がなくて寂しかったので、ハロウィンのおやつと称してカルディの「なにがでるかなBOX」を購入特典にしたら楽しんでもらえてよかったです。見た目のインパクトもあったので、「くじ引き」型のアクティビティとして今後何かの特典に転用したいと思うなど。

なにがでるかなBOX

・ちょっとネガティブな感想も。見本誌コーナーから直行してくれる人は(立ち読みせず即買いしてくれるため)挙動でわかりやすく、見本誌のありがたみを感じるものですが、出店者枠を増やすために見本誌コーナーが離れた場所に追いやられるのが当たり前になって久しく、今回はいつもより恩恵を感じにくかった気がします。『イスタンブール』は特に、見本誌が一堂に会したときの表紙のインパクトは負けていないと思うのですが。

・それから、20歳も30歳も年上と見られる方が「イスタンブール!昔行ったよ〜」とか、「トルコは大好きで…」と結構話しかけてくださり、わりと話がはずむのですが、そういう人ほど絶対に買ってくれなくて面白い(この現象、なんなんでしょうか。今度から「ほんで買わへんのかーい!」って突っ込んだろうかな)。買ってくれる人(比較的若い人が多かった)はコミュニケーションがかなりスマートで、買ってくれる人と盛り上がりたいなと思うのは贅沢な話でしょうか…。じっくり立ち読みして満足しちゃった結果「ありがとう!」となどと言って晴れ晴れと立ち去っていく人良い歳した大人は言語道断です。

・さておき、忙しくて友人にも会えてないくらいなので、見知った人たちと言葉を交わすという、なんてことない嬉しさがありました。さらには、十年以上前に卒業した大学の文芸部の後輩が出店していて、わざわざ立ち寄ってくれたのです。在学期間もかぶっていないのに、昔の部誌でわたしの名前を知ってくれていたらしいのです(在学時四年間、毎号欠かさず「月の中にいる男」を寄稿していたのが懐かしい…)。卒業後も一人で創作活動する選択をし、継続している彼女だから、「卒業後も書き続けている先輩がいるって知れて嬉しいです」と言われたときには胸がいっぱいになりました。

反省点

・下を向いて足早に通りすぎていく人もいて、やっぱり前掛けのポスターは必要だと気持ちを新たにしました。東京会場の反省点でもありましたが、今回は新刊がないので準備できなかったのです。

#文学フリマで買った本

空いた時間がなく、最後の30分で焦って挨拶まわりすることになってしまい、最低限しか回れませんでした。気になる作家さんはいろいろいらっしゃるのに、わたしの体はひとつ…。接客もがんばりたいし、毎回迷いどころです。隣接で出られるくらいジャンルの近い友達をつくりたいといつも思うのですが、わたしの出店ジャンルが定まっていないので難しいかもしれません。

次回の出店:10/27(日)文学フリマ福岡10

◇日時:
2024/10/27(日)11:00-16:00
◇場所:
博多国際展示場&カンファレンスセンター 3F
〒812-0008 福岡市博多区東光2-22-15

◇ブース:決まり次第お知らせ

☟イベント詳細

https://bunfree.net/event/fukuoka10/

次作を楽しみにしてくださっているお声もありますので、今精一杯頑張っているところです。早く良いお知らせができるといいのですが。


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