ルーキー津留﨑大成 10登板の活躍と課題
こんばんは、ごしまです。
毎週月曜日にnote投稿するのが習慣化してきました。
いつまで続くか分かりませんが、なるべく毎週面白そうな題材を投稿したいなと思ってます。
さて先週は3勝3敗、最後は少しもやもやする負け方でしたが前週の何かに取り憑かれたような負け方を脱却し、試合展開自体はそこまで悪くなかったかなと思います。
采配に疑問符が付くことも多少はありますが、色々試行錯誤してるのかなという印象もあるので…
長い目で見ていきたいなと個人的には思います。
足立は喝だ
そして本日はドラフト3位ルーキーの津留﨑大成投手について、ちょうど10登板を終えキリがいいので振り返りたいと思います。
1. 10登板を終えて
プレシーズンで8登板8.1イニングを投げ初登板の2失点のみと上々のアピールで開幕1軍スタートした津留﨑。
開幕から7試合(8イニング)連続無失点と順調な滑り出し。
7/16に一時抹消されたものの、7/26に最短10日で再登録。
昨日失点し10試合連続無失点は逃したが防御率1.80。
ソフトバンク甲斐野投手が持つ新人の連続無失点記録の13試合、楽天森原選手のルーキーイヤーの10試合に惜しくも届かなかったのは少し残念だったが…
8/3現在、10登板以上したパリーグ救援投手の中でも防御率12位、他球団の勝ちパターンを任される選手と比較しても遜色ない成績で、良い形でプロ生活をスタートできたと言っていいだろう。
2. 津留﨑選手の特徴を探る
津留崎はここまでストレートを主軸にカットボール(スラット)、カーブ(マッスルカーブ)、そこに時折りフォークを交えた配球。
津留崎投手の特徴としてゴロアウトが非常に多いことが挙げらる。
ここまで打者47人に対して31のアウトの内訳は、
ゴロ : 16(51.6%)
フライ: 11 (ライナー含む)
三振 : 4
とアウトの半数以上をゴロが占める。
フライとゴロの比率を表すGB/FBは1.62で楽天投手陣では最も高く球界内で見ても高い部類。
分類するならばゴロ型の投手ということになる。
特にカーブで7つのゴロアウトを奪っており、被打率も.231とまずまずの数字。
ドラフト直後はスラットスプリット型として注目を浴びていたと記憶してるが、キャンプ中に習得したこのマッスルカーブが思いの外良い武器として仕上がってるのかな、という印象。
ストレートは空振りこそ奪えないものの、質が良く140後半の威力あるボールでここまで被打率.111と投球の軸となるストレートが機能しており安定した成績を残せている。
3. 津留﨑の課題を考える
ここまで安定した成績を残しているが、課題の1つとして三振率の低さを挙げたい。
再掲になるが先ほどのパリーグの救援陣上位20選手の中で見ると奪三振率が1桁台は津留﨑のみ。
さらに付け加えると10登板以上したリリーバー42人の中で1桁台は津留﨑だけである。
三振の多い少ないが必ずしも成績に直結する訳ではないが、三振の利点は守備が関与しないという点である。
特に本拠地楽天生命パークは天然芝を採用しており、球足は遅くなるものの人工芝と比べると不規則なバウンドが増えるためゴロボーラーの津留﨑としてはエラーのリスクが増す可能性がある。
当然ながら芝の有無にかかわらずゴロやフライというのは常にエラーのリスクや打ち取っても間を抜ける/落ちるヒットを生む可能性があり、楽天の守備もそれほど高い守備力を有してるわけでもない。
シーズン終盤には疲労から守備力の低下も考えられる。
その点で言うと、三振を奪えてない今のスタイルは懸念材料の1つである。
実際WHIPは決して低くなく、失点のリスク(ランナー)をそれだけ背負っている。
ここで昨日のロッテ戦を見た方は7回の守備を少し振り返ってもらいたい。
先頭の福田選手のサードゴロを鈴木選手が悪送球、あわや出塁を許すとこだった。
2人目中村選手の打球はショートとセンターの間に落ちるポテンヒット。
3人目マーティン選手の打球は左打者で一二塁を締めていた藤田選手の横を抜けるコースヒット。
5人目井上選手はライトへの犠牲フライ。
6人目菅野選手の打球は投手の頭を越える高いバウンドになり二遊間へ→小深田のグラブの下をすり抜けセンター前へ点々と
これが1イニングで起きたことである。
(昨日に関しては足立の配球もどうなんだというところもあるが…)
たまたまじゃん、と思われる方もいるかもしれないが討ちとっているがなかなかアウトを取れないことが続くことは少なくない。
アウト獲得の約9割をインプレー打球で占めている津留﨑ではなおさらだ。
守備力・球場特性、そして運、これらが関与するため見方によってはここまでインプレー打球が多かった津留﨑は運良く失点していなかった、ということも考えられる。
これに関してはこれ以上深掘りしないが、課題の一つとして奪三振率の低さは挙げておきたいところ。
4. 球種別成績で考える課題
なぜ三振を奪えていないのか。
理由の1つは単純に空振りを奪える球が少ないことだろう。
注目したいのはカットボール(スラット)だ。
先ほど触れた通りドラフト前後ではスラットスプリット型として注目されていた津留﨑。
プレシーズンでも被安打1のみ、空振り率も30%ほどと前評判と違わぬ高い威力を見せた。
シーズンに入っても19.2%とまずまずの空振り率だが、一方で被打率は.556と打たれまくっている。
変化球単体でのキレは申し分ないが空振りを取れる球種が今のところこれくらいしかなく、頼りすぎているが故に狙い撃たれている可能性は否定できない。
カーブはある程度機能しているとはいえ軌道は全く異なるし、ここの問題も少なからずあるだろう。
ここまでフォークは空振り率14.3%だがほとんど投げておらず(8球のみ)、空振りもハーフスイング1つのみなので参考記録。
プレシーズンでは全投球の10%ほどフォークを投げ2つの三振を奪い、映像上で見た限りキレの良さを見せていただけに何か投げない理由(制御できてない、温存してる…?)があるのかもしれない。
ストレートに似た軌道から同じ球速帯でスラットとフォークを左右へ投げられるとよりピッチングの幅を広げられる。
そこに目線を外せるカーブもあり、より厄介な投手になるだろう。
(実際ドラフト直後は自身でここら辺の意識について語ってた)
今後はここの使い方についても注視していきたい。
5.最後に
ルーキー津留﨑投手の10登板を振り返って私なりに勝手に考えた課題を述べさせてもらいました。
・防御率1点台、リリーバーの中で上位の成績
・特徴としてゴロアウトが多く、マッスルカーブが機能してる
・奪三振率の低さへの懸念
・インプレー打球の多さのリスク
・空振りを取れる球種の少なさ
・フォークの使い方で状況打開できるかも?
ゴロボーラーが悪い、空振り・三振が取れないのが悪い!という訳ではありません。
ただ課題の1つとして私は見ています。
そもそも無失点の中、課題解決のために2軍へ行ったにも関わらずここ最近の救援事情が苦しい事情も含めて再昇格したという背景もあり、、、
三木監督「前向きな抹消。課題を見つめ、レベルアップを目指す。今季中に成長して戻るのを楽しみにしている。(課題は)全部ですね。一つ目は一つ一つの球種の精度や強さを上げる。二つ目は走者を背負った時に上手にピッチングできるか」
三木監督からもこの発言があっただけにこの昇格は残念だった。
この短期間で課題は消化できてないだろうし。
ただ1軍で得られる経験も大きいと思うのでこれが悪かったと言うわけではない。
1軍での試合を通してここからどのように成長していくかを楽しみにしたい。
ゆくゆくは勝ちパターンとして活躍してほしいですね。
新人王候補にも名乗りを挙げてほしいな。
これで本日の内容は以上です。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
ご意見・ご感想も頂けるとありがたいです!
データ参考 :
Sportsnavi : https://sports.yahoo.co.jp/
日本野球機構(NPB): https://npb.jp/
1.02 Essence of Baseball : https://1point02.jp/op/index.aspx