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備忘録 | 24年8月

(できれば毎月)残していきたい備忘メモ。基本は月々の振り返りになるけれど、詳しく記すというより、あくまでメモのようなものとして。


劇場鑑賞 映画

『お母さんが一緒』

監督:橋口亮輔

もともと舞台が原作で、かつテレビシリーズのドラマを1本をまとめた作品ということで、1本の映画として見られるかは判断が難しい。しかし私は大好きだった。とにかく笑って楽しめる! 『恋人たち』(2015)がかなり重たい作品だったのに比べて、本作はとても気軽に見られて、かつ芯がしっかりした作品になっている。この流れは、とてもよい身軽さだと思う。

『夏の終わりに願うこと』

監督:リラ・アビレス

死を目前に控えた父親の誕生日パーティー。もしかしたら、これが一緒に楽しめる最後のチャンスかもしれない。それは父親も、周囲の大人たちも、そして娘である少女も肌で感じ取っている。
パーティーの準備と、パーティーの場面がほとんどであるのに、全編に渡って死の匂いが漂ってくるところがすごい。また手持ちカメラによる撮影が、このひとときと出会うことに意味を見出しているようだった。

『インサイド・ヘッド2』

監督:ケルシー・マン

前作は子どもも楽しめただろうけど、今作はどうだろう。思春期真っ最中の中学生と、思春期をすでに経た大人のほうが楽しめるんじゃないだろうか。自分は小学生のときまでよく授業でも手を挙げるほうだったし、積極的なタイプだったけれど、中学くらいからシャイな側面が大きくなっていった。その意味で、ハズカシの出番が増えていったのだろう。

『フォールガイ』

監督:デヴィッド・リーチ

見る前まで、この作品はどっぷりライアン・ゴズリングの映画だろうと思っていた。しかし観た印象としては、エミリー・ブラントがとにかく良い! メガフォン片手に、何テイクも撮り直しを指示する姿や、テイラー・スウィフトに泣くライアン・ゴズリングの助手席に座って数メートルだけ車を走らせさせる姿など、素晴らしいコメディアンヌぶりだったと思う。

『SELF AND OTHERS』(2000) / 『エドワード・サイード OUT OF PLACE』(2005)

監督:佐藤真

鵠沼海岸シネコヤにて。一方は写真家・牛腸茂雄、もう一方はエドワード・サイードと、すでに亡くなってしまった人物のドキュメンタリー。カメラを向ける相手が不在をどう映し出せるのか。そのために、どちらも彼らが綴ったテキストを声として画面に導入する。
イスラエルによるパレスチナ人の虐殺が続く現在、現地で生きるパレスチナ人やイスラエル人の市民たちの言葉をどう受け止められるのか。根なし草として生きるしかなかったユダヤ人と、根を強制的に引き抜かれてしまったパレスチナの人々。どちらも西側諸国による植民地主義の犠牲者とも言える。現在は、イスラエルばかり責める人も多いが、やはり根本的な要因になっているのは間違いなく欧米だ(だからといってイスラエルはパレスチナの無抵抗な市民を殺害していい理由にはならないのは当然だが)。

ドラマ

THE BOYS シーズン4

マーベル映画の人気が下火になってしまった現在、メタとしてのTHE BOYSがどれほど有効性があるのか。おそらく次のシーズンではそれが問われてくるだろう。しかし大統領選を控えた今年にシーズン4が配信されたのはよかったのではないか。ただしまさかのトランプの銃撃事件、カマラの立候補などが起きるとは……。
ちなみに今作で最もギョッとしたのは、やはりセルフムカデ人間だろう(分身できる能力者が、自分のアナルを分身に舐めさせて5連結している画)。

地面師たち

中盤までは前のめりで画面にかじりついた。しかしいくつか気になる点も。1つはいくつもの殺人。モデルとなった事件では起きていない殺人を盛り込んで、フィクション・エンタメとして刺激的にするのは理解できる。しかしそもそも実際に起きた出来事がおもしろいのだから、「詐欺」の側面だけで引っ張っていってもよかったのではないか。
2つ目は終盤、アジトでの銃撃アクション。それまで「実録もの」として楽しめていても、かなりフィクション性が高くなりすぎたように感じる。

0.5の男

日本のドラマに詳しくないが、今年見た中では「0.5の男」が一番のお気に入りだ。妹の子どもたちと同居しはじめ、交流することで引きこもりだった男性が立ち直っていく。同時に子どもも、彼との交流の中で成長する。
どのエピソードにも「おお」と驚くようなカットがあり、目を見張る。新居の内部も、断面のように横からカメラが映し出して、複数の人物が同時に移動する様子を1つのカットに収めようとする。「わざわざセットを組んだのか」と、驚かざるをえない。
中でも忘れがたいカットは、4話目で松田龍平が姪っ子とアイスを食べながら川沿いを歩く長回し。それまでこのドラマで「じゃがりこ」とモンスターばかり買っていた松田が、姪に奢ったアイス。それが2人の心を最高潮に近づける。アイスは偉大なのだ。

プレイリスト

先月リリースされたJay Worthyのアルバムが最高で、引き続き夏のお気に入りになっている。8月はKiller MikeティナーシェRavyn Lenaeのアルバムなどが自分の今の気分にもフィットした。

その他

Liza presents “Slytic”(Liza×7×SheidA)

WWWXにて、SheidA、7、Lizaのライブを見る。30分という制限時間ならではのタイトさもあって、7のライブがとてもよかった。もっともっと人気が高まっていくだろうから、このタイミングで7を見られてよかった。
7はステージ衣装などビジュアルも含めてかなり個性的でかつキャッチーなので、これからの人気拡大を期待したい。


2024年 過去に取り上げた映画作品リスト

1月
『ショーイング・アップ』
『ファースト・カウ』
『トーク・トゥ・ミー』
『エクスペンダブルズ ニューブラッド』
『彼方のうた』
『哀れなるものたち』
2月
『ゴースト・トロピック』(2019年)
『ブッシュマン あるナイジェリア人青年の冒険』(1971年)
『夜明けのすべて』
『カラーパープル』
『ダム・マネー ウォール街を狙え!』
『梟―フクロウ―』
『瞳をとじて』
3月
『犯罪都市 NO WAY OUT』
『コヴェナント / 約束の救出』
『デューン 砂の惑星PART2』
『美しき仕事 4Kレストア』
ピエール・エテックス諸作品
4月
『コット、はじまりの夏』
『エル・スール』(1983)
『オッペンハイマー』
『アイアンクロー』
『Here』
『Oasis』
5月
『ラブレス』(1982)
『青春がいっぱい』(1966)
『猿の惑星 キングダム』
『ひかりの歌』
フランソワ・トリュフォー監督 12作
6月
『マッドマックス:フュリオサ』
『関心領域』
『違国日記』
『左手に気をつけろ』
『蛇の道』
『クワイエット・プレイス DAY 1』
『パスト ライブス/再会』
7月
『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』
『メイ・ディセンバー ゆれる真実』
『密輸1970』
『墓泥棒と失われた女神』

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