認知症の妻と10歳歳上の夫
病気になった母が、最も信頼し、支えとするのは父だ。
きっかけがあって、母が泣き・怒ることがあっても、今の母には父が必要なのだ。
私は、箸休め的な存在だろうか。「ずっと2人きりも大変だろう」と私は思うし、両親も「たまには誰かいてもいいかな」という感じかな。
父と母を見ていると、「2人の間には入れないな」という時が多々ある。夫婦のあり方を見ている気分だ。
今のところは、そんなに毎日が激しい日常でないから、こんなことを思うのかもしれないけど・・・。
2人を見ていると、「夫婦とは何なんだろう?」と思うことがある。病気ゆえの言動をとる母に、なだめる父。いや、妻と夫なのだ。
家族ではあるけれど、妻と夫の2人のストーリーなのだ。
娘とはいえ、私が入ることは好ましくないのだろう。う〜ん、距離感が難しい。
母と父が、それぞれ孤独にならないようにするのが、せめてもの娘の私ができそうなことかしら。
2人を見ていて、自分がどうすればよいのかを、いつも自問自答してしまう。
一番身近だからこそ、伝える言葉や態度もあれば、してはいけない言動もあるだろう。常に、手探りの状態だ。
ただ言えることは、「今」を大切にできているかだろう。「今」が未来へと続いていくのだ。つらい日や苦しい日があっても、やり過ごせば、また明日はやってくる。
この「やり過ごせる」がポイントなんだろうけど。人間ですもの、心があるから、色々と大変な時もある。
それでも、明日へと生きていく。
母の憎まれ口を聞いたり、美味しそうにビールを飲んだり、一生懸命にお喋りをしたり・・・、毎日が大切だ。
かけがいのないもの。
日常こそが、なにより大切で、愛おしいものなのだ。
(2012.9.6)
2020年、母の病気ゆえの言動が強い時も、しばしば見受けられる。父は、なだめ、受け入れるの繰り返しだ。母の病気の進行が進むたびに、父は手探りだ。
今月、両親は、48回目の結婚記念日を迎えた。
父が、「まさか、お母さんが先にこういう病気になるとは、人生わからないもんだ」と言っていた。10歳差があるだけに、余計にそう思う。
10歳若い母に、振り回される父。
若いから、エネルギーがある。
母が元気なのは、嬉しいけれど、やはり日々、大変だ。
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