鬼殺隊に学ぶ結婚指輪の作り方
鬼滅の刃の新刊、読みました?
わたしは発売日に本屋を3軒ハシゴしてようやっと手に入れました。
鬼をバッサバッサとなぎ倒していく主人公・炭治郎とその仲間たち。
そんな鬼狩りの剣士たちに特徴的なのが、その羽織ですよね。
集英社がキャラに紐着いた色柄を商標登録するとかしないとかでも話題になっていました。
その波を受けてか、ここ最近では“炭治郎の市松柄もどき”みたいなものもよく見かけるような気がします。
緑と黒の組み合わせだけど、よくよく見ると市松柄じゃない!とか。逆に市松柄だけど色合わせが違うものなど、工夫の方向性は様々。
そしてそんな時流の中で、今更ながらに気づいたことがあります。
和紋って色の組み合わせ次第ではめちゃくちゃかわいくなるんじゃね?
(※和紋というのは市松柄とか亀甲柄とか、とにかく鬼殺隊の隊士たちが羽織っていそうな日本の伝統的な柄のことです)
こちらはつい先日DAISOで衝動買いしてしまったパステルカラーの千代紙です。
え、かわいくないですか?
JKがよく使ってる「エモい」という言葉。どういう時に使うのが適切なのか分からない今日この頃だったのですが、
「もしかして……これがエモいなの?」(トゥンク)という新たな学びをくれた一品でした。
さすが天下のDAISO。色選びがえげつない。
おじいちゃんの湯飲みによくあしらわれている、藍色と白の市松柄。
おばあちゃんがよく持っている、亀甲柄の赤茶色の財布。
柄自体になんだか古ぼけた印象を持っていたけど、古ぼけていたのは「和紋」に対するわたしの固定概念だったんです。
それとこれは和紋本来の楽しみ方になるかと思うのですが、和紋にはそれぞれの柄に固有の意味があります。
たとえば
■市松柄(炭治郎)…永遠、繁栄
■麻の葉(禰豆子)…麻の丈夫さや成長の早さにあやかって、子どもが健やかに成長するようにと産着などにあしらわれることも。魔除け。
■鱗文(善逸)…厄除、再生、厄落とし
■毘沙門亀甲(義勇)…財宝や福徳をもたらす毘沙門の甲冑の柄と、永遠の繁栄を願う亀甲が合わさった大変めでたい柄。
それぞれの和紋の意味を考えながら改めて鬼滅の刃を見ると、なんだかまた深読みしたくなってきちゃいます。
ああ、きっとこういう願いを込めてお父さんお母さんがこの子にこの着物を選んだんだろうな…とかね。
関係ないですが義勇の羽織の半分が錆兎の和紋だと気づいたその日から、わたしはゴリゴリの義勇推しです。
そんなこんなで夫婦ともに鬼滅ファンなこともあり、今年初めに和紋入りの結婚指輪を作ってきました。
図柄はこんなかんじ。(実物の指輪だと反射して図柄がよく見えないので)
自分たちで溶接して磨いたものに、プロの彫金師さんが希望のデザインを掘ってくれました。
この「花」と書いてある部分は、実際には「七宝柄」です。
■七宝…円満、調和、ご縁
そして七宝の横でうねうねしているのが「唐草模様」です。
■唐草…生命力、一族の繁栄、長寿
唐草模様というと泥棒が背負ってる大きな風呂敷のイメージが強いけど、実はけっこう縁起の良い柄なんです。
わたしは七宝柄を、夫は唐草模様を希望しており、しかしどちらも譲り難く。
夫婦で話し合った結果、どっちの柄も入れるというかなり欲張りな形で納まりました。(彫金師さん大変だったろうな…)
たぶん毘沙門亀甲なんかも、こうやってどうしても譲り難い“意味”と
お互いに大切にしたい誰かと誰かの意志が組み合わさって
今のこの形になっているのだろうなと、勝手に想像しています。
かくして義勇が半々羽織を身につけていることにも、「錆兎の意志を背負って、一緒に闘い抜いてやるぞ」という義勇の強い意志を感じますし、
そしてそこには「たとえ自分が犠牲になっても、鬼から人を守るのだ」という錆兎の意志や優しさも、確かに存在しているよに思うのです。
想いや願いを物に込めることができるデザイン
そしてそのデザインが刻まれた物たちは言葉を持つのだと思います。
きっといまはもどきの色柄たちも、さまざまな人の想いや願いを内に秘めて、数年後には立派な和紋として日本中に、いや世界中に普及していくことでしょう。
鬼滅の刃が大流行して、そして和紋や日本刀をはじめとする日本の伝統的な風習や文化が最注目されて。
たぶんわたし達はいま、日本の文化史に残るような一時代に生きています。文化を創り、成長させる側として。
それってなんだかワクワクするし、せっかくなので今後もこの鬼滅ブームに乗っかりまくってやろうと思っています。
10/7追記
お店のギャラリーページに作った指輪が載っていました
指輪を作ったお店はここ↓
https://tsuibutokyo.com/?gclid=EAIaIQobChMI28b0ypeg7AIVl6qWCh3tpAPIEAAYASAAEgI3CPD_BwE
和柄のフリー素材はここから↓