育児とセックスを両立できなかったわけ/求めていたのは性的なものを含まないスキンシップ
結婚してみて初めて分かったことがある。
わたしは結婚生活の中にセックスを持ち込むのが苦手だ。
というか
育児とセックスを両立できない
よく出産したら奥さんを女として見れなくなったという男性がいるけど、あれに近い感覚かもしれない。
わたしは夫に彼氏から父親になってほしかった。
でも夫は子どもが生まれても父親になることはなく、いつまでたっても彼氏彼女気分で男女の性愛にこだわっていた。
育児は本当に過酷だ。
出産した体は交通事故に遭ったレベルでボロボロだし、そのボロボロの体でゆっくり休むひまもなく不眠不休の育児が始まる。
産後はホルモンがドバドバ分泌される影響で情緒不安定になるし、赤ちゃんのことしか考えられない。昨日までお花畑だった世界が戦場に変わる。
そんなときに男とイチャイチャしたいなんて、わたしは一ミリも思えなかった。
でも夫は違う。
お腹もお股も痛めてなければ、ホルモンも分泌されていない。
昨日までチュッチュしていた彼女が、一夜明けたら戦場で母親になって立っている。
頭ではそれを理解できたとしても、本当の意味でそれを理解して受け入れられる男性がどれくらいいるのだろうか。
わたしはもともと虚弱体質で体力もなかったし、いま考えれば栄養も不足していた。
そんな体で出産したものだから本当にボロボロだった。授乳もまた体力を奪う。なにせ母乳は血液だから。
ようやく元気になり始めたときに二人目を出産しわたしはさらにボロボロになった。
産後から回復するのに健康な人と比べて随分と時間がかかった気がする。
自分の時間もまったくなかった。
一日中あかちゃんのお世話に明け暮れて、ようやく赤ちゃんが寝て自分の時間ができると思っても、気付けば自分も一緒に寝落ちしてしまう。奇跡的に起きていられても溜まった家事を片付けなくてはならない。
そんな過酷な環境で、夜ようやく赤ちゃんが寝てくれたときの夫のお誘いほど地獄なものはなかった。
わたしはなけなしの体力とようやくできた一人時間を奪っていく夫のことを、まるで悪魔のように感じていた。
あのころわたしが求めていたものは、性的なスキンシップではなかった。
わたしが求めていたのはもっとお互いを労わりあうような、優しさを伝え合うような、安らぎを共有できるような、性的なものを含まないスキンシップだった。
でも夫はひとたび触れれば盛りのついた犬みたいになってしまう。
性的なものを含まないスキンシップなどわたしたち夫婦の間には存在していなかった。
わたしは母親モードになっているときに夫から性的な目で見られることが次第に苦痛になっていった。
これはわたしたちだけに起こったことなのだろうか?
わたし以外の夫婦はいったいどうやってこの問題を乗り越えていたのだろう?
その問題について、いまなら分かることがある。
そこにはわたしが抱えていた問題があった。
うれしいです!!!!