大きな音が怖い
私は大きな音が苦手。特に上の階や下の階から響いてくる大きな物音には心臓が縮み上がってしまう。
これはなぜかと言えば、幼少期に父親が酔っぱらっては不機嫌を表明するために、そして家族を脅すために大きな物音を立てていたから。リビングでドッタンバッタンしているその物騒な物音、母親と言い争う声、ドアを叩きつけるように閉める音、そんな恐ろしい音を毎晩自分の部屋のベッドで聞いては不安に打ちのめされていた。
大きな物音を聞くと、あの頃に一瞬で引き戻されてしまうのだ。恐怖が身体に刻み込まれているのだ。
今ではモラハラの夫もいないし、家にいるのは平和で優しい子供と犬と猫だけだ。それなのに、子供たちの足音でさえ私の身体は過剰に反応する。
今朝も息子の起きてきた足音(少しドタバタうるさい笑)、リビングを歩き回る音、椅子を引く音、それらの音に私の心臓は縮み上がった。心拍数が上がり右胸がギューっとなる。怖くて怖くてたまらない。小さかった私の記憶がこの身体に蘇る。
その身体の反応に意識を向けて、ギューっと縮み上がった心臓をひたすら抱きしめて思いやりを向けていく。そんなに怖かったんだね。もう大丈夫、ここは安全だよ。
縮み上がった身体は時間をかけて少しづつ解けていった。
当時の小さな私を守ってくれる人はいなかった。私を安心させてくれる人も、大丈夫だよと抱きしめてくれる人もいなかった。
でも今は私がいる。大人になった私は自分の力で「安心」に戻ることができるようになった。
あの頃の私を癒すのは親じゃない。今の私なんだ。今の私が絶対に守ってあげる。怖かった記憶はこうやって時間をかけて少しづつ癒していこう。
今朝は途中で猫が来てくれたので、すっかり緩んで安心に戻った。自分を頼って、自分だけで無理な時には誰かの手を(時には猫の手さえも)借りて、私は私を癒していく。