「月刊佐藤純子」 (ちくま文庫 さ 44-1)


このかた(佐藤ジュンコさん)を知ったのは「PHPスペシャル」での連載だったと記憶している。

親しみのある絵とコマの中に添えられた文章。

ちょうど仕事で疲れていた時期だったので、読んでいて安心感を得たのを覚えている。PHPスペシャルの著者の紹介文の中で、この本の記載もあったので、気になって本屋さんで購入した。

帯には「読んだらクセになる」。

この本のアマゾンでの紹介文は以下だ。

「注目のイラストレーター(元書店員)のコミックエッセイが大増量してまさかの文庫化!仙台の街や友人との日常を描く独特のゆるふわ感はクセになる! 」

地方発の文庫から全国版の文庫に派生したので、千葉県民の私のところにもやって来てくれた。

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さて、この本は「月刊佐藤純子」は年賀状の返礼がすっかり遅れてしまい、その言い訳を漫画にしたのをきっかけに、発行開始したフリーペーパーが元になっている。いろんな人に配ったり郵送しているのを続けているうちに、「面白い」という感想を貰った。そしてさらに楽しくなって続けているうちに、最終的に書籍になった。といった流れだ。(ちなみに月刊となっているが、著者本人も述べているとおり不定期刊行である。)

なお著者である佐藤純子さんは、当時仙台市で働く書店員さんだったが、現在は書店員を卒業し、イラストレーターとして活躍中。

フリーペーパーを押し配りしている相手は、最初は友人だけだったが、だんだん仕事関係者、さらには宮城県が誇る漫画家である、いがらしみきおさんまで波及していく。

最初の方では、絵はお世辞にも上手い訳ではないのだけど、本人の人柄がわかる感じにばっており、読んでいて楽しい。

でも刊行部数を重ねるうちに、絵もどんどん上手くなっていくのがはっきりとわかる。

個人的に印象に残ったのが、東日本大震災に遭遇した中で、友人達と支え合って乗り越えていく過程を描いた「ゆらゆら日記」。

大変な中で本当に助けになるのは、お金でもモノでもなく、人との支え合いなのだ、ということなのだろう。と私はこの本を感じて思ったし、今(2020年3月末時点)は特にそう感じている。

この本は全体的にほっこりしているけど、一方で、自分が楽しく何かを続けていくことの強さというか、しなやかさを教えてくれるような気がする。

なので、元気になりたい時は、この本を手に取る事が多い。

ちなみに図書館で借りた「佐藤ジュンコのおなか福福日記 (手売りブックス)」も面白いので、こちらも是非。





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