NovelJam2024 参戦記⑤
三日間(実質二日!)でチームを組んで面白い小説を描き上げ出版まで行ってしまうという狂気の小説執筆大会「NovelJam(ノベルジャム)」。
初日が終わり、あらかじめ予約しておいた、会場から一駅先の安宿に向かいます。
グーグルマップを指標として進んだのですが、駅から徒歩7分のはずがGPSの不具合があったのか30分近く12Kgの荷物(ギターとミニアンプ含む)を背負って深夜の江東区を徘徊します。空手でフィジカルを鍛えていなかったら行き倒れていたかもしれません。文武両道!
宿というか研修施設(一泊7,000円くらい)だったのですが、ロビーで制服姿の学生さんがなにかディベートっぽい交流をしておりました。チャカノリさんの姿を思い浮かべながら予約しておいた部屋に向かいます。
スヤスヤ教設立当日に入寝した敬虔な寝者なので、睡眠時間を確保しつつ1,500文字くらい+後半プロットを描いてから編集鈴木さんに送って就寝します。
さあ、11/3(日)、二日目の開始です。初日は夜まで雨でしたが快晴! 幸先がよろしいです。二日目はまるまる一日使えるので、ここが勝負どころです。
はいチーム「Dコード」、再集結です。
チャカノリさん、きょうはギターとアンプを持参しております。
まあ実のところ、わたし以外は開場時に集合していたのですが、わたしは昼頃に重役出勤しました。宿で、ある程度筆をすすめて、ノルマのDuolingoでの中国語レッスンを終えたから馳せ参じた次第です。
出勤前に編集鈴木さんへ送っていた原稿の戻しをいただきました。
おおむねこんな感じです。
「難しい言い回しが多い」
「まわりくどい」
「なに言ってるのかわからない」
「主人公の心情がわかりづらい」
「共感しづらい」
本当はもっとオブラートに包んでいただいているのですが、本質的にはこのようなフィードバックがありました。
これだけ見ると手きびしいようですが、前段として
「作品については遠慮なく、忌憚ない意見を戻してほしい、ちょっとでも引っかかるところがあれば、すべてツッコんでほしい」と、わたしが強く要望していたからです。
まあ、鋭利なダメージがまったく通らなかったわけではないのですが、とてもありがたいフィードバックです。できてるんなら言わなくてもいいんですから。
その課題をクリアしておくと、そこから続きを描く際に意識がめっちゃ高まるので、結果として読みやすく、伝わりやすく、共感できるようになるわけです(なったはず)。
筆者としてNovelJamに参加して、はじめてまともに編集を受けることができました! 前回なんか担当編集いなかったし!(大問題発言ですよ!)
さて、本作品中に「魂柱」っていう、最重要ワードが出てくるのですが、ここでもっとも厳しいツッコミを受けることになります。
魂柱とはバイオリンのパーツのひとつで、その名称からも重要だということが伝わるかと思います。発生するエネルギーを効率的に音へと変換する重要な部分です。
んで、舞台がドイツということもあって、ルビをドイツ語読みにしてみました。
……「魂柱(ゼーレ)」って。
そうヱヴァのアレの由来でもあるやつです。どう? かっこよくない? キマった! Seele!
そのとき編集鈴木さんのオーラが、ちょっといつもより昏く揺らいだんですよね。「……まったく伝わってこないんですけれど……必然性もあまりないようですし……」ぴきっ
すすすみません、かしこまりました! いまなおしますね!! ほら、なおしました。なおった!
「魂柱」のルビは、(ゼーレ)から(こんちゅう)に着地します。冷静になってみると、この判断はとてもよかったなあ、と思いました。
ゼーレ笑にしなくても、バイオリンのパーツって説明しなくても、魂柱って字面だけでじゅうぶん伝わりますからね! ね!
そこからの続きのトーンもこれで引き締まったわけです。さすが敏腕編集!
※ 今日の豆知識 ※
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〇バイオリンの魂柱。
ドイツ語で「Seele(ゼーレ)」は「魂、心、生命」を意味します。
またイタリア語で「Anima (アニマ)」、フランス語で「âme(アーム)」、スペイン語で「alma(アルマ)」。すべて同じく「魂、心、生命」を指します。それだけ重要な部品なんですね!
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その⑥へつづく
NovelJam2024で執筆した「Meister(マイスター)」は以下より購入可能です。紙本買うと電子版もついてくるのでお得です。紙本お持ちいただいたらサインするのもやぶさかではないですよ!
この機会に過去の参戦記(今回分もたまってきたので)もまとめておいたので、ご興味あればどうぞ!
さて、わたしの自著、ギター小説「440Hz」シリーズもご高覧いただけますとうれしいです。こちらはKindleUnlimitedで読み放題です!