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【読書】藤原伊織「テロリストのパラソル」
こちらで備忘録を兼ねて、読んだ本について記しておこうとおもいます。
今回は藤原伊織のハードボイルド小説「テロリストのパラソル」です。
少し昔(90年代)の作品ですが、唯一の乱歩賞&直木賞ダブル受賞作です。そんな吸引力あったら読まざるを得ないですよね? ちなみにギャンブルで借金を作ってしまい、その返済のために本作を書いたとのことです。んで、読みました。KindleUnlimitedで読み放題です。
主人公は新宿に住むアル中のバーテンダー菊池、学生運動時代の東大で闘争をした経験をもち、その後プロボクサーにもなった経歴の持ち主です。
そんな彼が日課である中央公園でウィスキーを飲んでいる際に、爆弾テロが起きます。犠牲者の中にはかつての友人がおり、事件の真相を求めて動き始めます。といった感じです。
東京という都会の中の情景がうまく表現されており読みやすかったです。
展開も速くよい感じです。ハードボイルドの薫り漂いまくります。
あと経営しているバーのフードメニューは「ホットドッグ」のみなのですが、この描写がめっちゃ巧いです。すげえおいしそうです。ハードボイルド感にも一役買ってますね。
ただ、青春時代の学生運動の話にぐっとくるのは団塊の世代なので、そのあたりのジェネレーションギャップのせいか、すんなりとは入れませんでした。
あとはちょっとご都合主義的な展開がひたすらに続くのですが、こちらは好みの問題かもしれません。90年代の作品なので、トレンディドラマ的な展開を狙ったのかもしれません。わたしはやりすぎでない限りご都合主義は好きです。物語ですからね。
団塊世代のひとならば、より楽しめる内容かと思います。
視点も主人公・菊池の一人称なので、のめりこみやすいかもしれません。
島耕作のような団塊の夢がつまったファンタジー好きなひとにおすすめです!(ディスっているような印象を与えてしまっていたらすみませんです)
※リアタイで読んでいませんが、わたしは島耕作けっこう好きです
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↓ わたしの自著、ギター小説「440Hz」シリーズもご高覧いただけますとうれしいです。こちらはKindleUnlimitedで読み放題です!
ギターも弾きます