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【ピコピコ音楽レビュー その5】 Four Tet - Three (2024)

こんにちは、ゴーヤです。数字が多くてなにがなんだか。

始まりましたピコピコ音楽レビュー。
将来的にピコピコ音楽(テクノ、エレクトロ)を鳴らしたい大学生が、ピコピコ音楽を中心に自由にレビューしていく記事となっております。

今回はFourTet !!!
フォークとエレクトロニカを組み合わせた音楽ジャンル、フォークトロニカを発明したまさに現代エレクトロの顔です!

ほんまにエモい音です。
Four Tet - Three (2024)

つい先日、FourTet のアルバムが4年ぶりの発売ということだったので、遅ればせながらレビューしていきたいと思います。
この人はホンマにいい音を作るんですよ。
フォークトロニカの名前通り、郷愁を誘うメロディにエレクトロの飾り気のなさがもうほんとにピュアピュアで直に胸に来るんですよねえ~。

前回取り上げたBurial とコラボしていたりとか、我らがトムヨークともコラボしていたりとか、、、。
かの有名なスクリレックスとのコラボもつい最近までホットな話題でした。

エレクトロ入門としてもピカイチの実力なので、ちょっと電子音楽系興味あるけど聞けてないなって方はFourTet から入るのがいいかなと思います!(ちなみに私もその一人です!)

今回はどんな作風なのか!早よ聞こう!レッツピコピコ!!


曲別レビュー

①Loved

マジで異次元の聞きやすさです。
こんなポップなエレクトロないよ他に。
FourTetの中でも抜群に聞きやすいかもしらん。

2024年初出しの曲です。これワクワクしたなあ。
名前のわりに破壊的な印象が目立ちますね。
なんというか後悔のようなものでしょうか。それこそフォークな。
そんな哀愁を感じさせる。
ドラムの迫力凄い。ちょっと初期を思い出します。

②Gliding Through Everything

「Parallel」で生み出したこのぽろぽろした雨粒のような音
これえぐいな。気持ちよすぎて死ぬ

なんだこれベストアルバムか!?全部出すのかFourTet!!
前回に比べてキラキラ感が増しててより神秘的になってる。
光に照らされて連れていかれそうや。
メロディによってた前回より、ドローン要素が強い。
空間的なアプローチをしだしましたね。
おっそろしいなFourTet。器用すぎんだろ。
そしてポコポコ音得意なんだよこの人。

③Storm Crystals

このザラザラしたSFチックな音も好きやで~。「Parallel 1」!(笑)
ちょっと和っぽい。三味線?なわけ。

やっぱ「Parallel」はけっこーFourTet的にも影響凄かったんかな。
というかこの人はアルバム出すごとに着実に新しく、そして唯一無二になっていくんだよな。そこがほんまにすげし。

生音っぽい温かさがあったと思いきや、空間的な神秘性も出てくる。
今までの曲全部乗せのような作風かもですね。
セッションの気持ちよさみたいなのと、アンビエント的気持ちよさみたいなのが交差する作りで非常に濃密。聞きごたえ抜群。
しかもスクリレックスのおかげで(?)ポップセンスも跳ね上がってますからもう無敵ですね。良すぎいいいいい。

④Daydream Repeat

これ先行配信良すぎたんよね。マジで感動した。何なら泣いた。
クラブで盛り上がること間違いなしの BPM 130 !!!
そこにFourTetの優しい音色が加わればもう最強!

美しく、楽しい!要はめっちゃ元気になれるってこと!
この二つが共存してるエレクトロは、これまためちゃくちゃ少ない(笑)
リズム音の調整が絶妙で聞きやすいのかな。なんにせよ美しいですよ。
そして空間的な音の動きがストーリー性を持たせていて飽きないですね。
これはベストトラックかもしらん…!

⑤Skater

もうバンドでは、、、?
最近流行のグルーヴ重視のバンドを感じたよ。
シンセとギターのレトロチックな音がキラキラ80'sだ。
ミラーボールがあっていい。これは。

音が面白い曲ですね。
アルバム内では遊び曲ですか。いやーかっこいい。
空間的に広がっていって終わる仕様なので、まさにエレクトロでした。

⑥31 Bloom

ピコピコ感ある曲来ました。
この故障しそうなコンピュータ音の連なりって、水分量が多く聞こえるんですね。溺れそうな感覚だ。
そして音の配置が細かくて窒息しそうだ!
しかしメロディが聞きやすいから聞けるんですねえ。劇薬だあ。

全体的に不安定な音同士が連なって、安定しているって感じです。
新規曲の中では一番再生されてます。
でも確かにこういう不安定な気持ちよさって初めて体感したかもしれません。ハマりそう。
指パッチンみたいな音がいっちゃん気持ちええ。

⑦So Blue

曲名は暗い。
シンセの伸びがすごーーーーーーーーーーーい曲
陶酔感が半端じゃないです。女性の声にもディレイがかかっていて、空間性はやっぱり重視してる様子。

二分ごろからドラムが入るという、構成的にも面白い曲。
このアルバムの曲群は全体的に構成が面白いですよね。
空間的広がりや音同士のセッション、そしてFourTet自身の引き出しも何もかもがアップグレードされているので遊び放題なわけだ。

⑧Three Drums

最初の先行配信曲。
これは衝撃だった。
こんなにもダイナミックでドラマチックな曲を彼が作るとは思っていなかった。長編映画を見た後のように圧倒された。

ここにきてやっとフォーキー全開
これまでずっと密室的な、セッション的な雰囲気のあった流れが、一気に自然的に、開けた感じになった。ラストに開放。粋なことしやがる。

民族的なフレーズが多くて安心する。
ノイズミュージックな中盤、張り合うピコピコ音、そして勢いよく流れるストリングス。
なんつードラマだ。でも決してエレクトロからは手を離さない。
ありがとうFourTet。君はまたエレクトロの拡張をしたように思うよ。
もうシューゲイザーとかにも通づる気がするこの曲。
ほんとどこまでも行くなあ…(笑)

ラストの曲すぎた。素晴らしかったです。


全体レビュー

肉体的なセッションと、空間的でドラマチックなアプローチを交互に出してくる、すごく情報量の多い、濃密な作品でした。

最近だとファンク的なセッションを楽しむアプローチと、ストリングスでドラマチックを演出するアプローチを同時に行ったArctic Monkeys の新譜などもあったので、近年は音楽的に楽しい要素を詰め込んだ完成度の高すぎるものが量産されるんだ…!という感じで楽しみだし、これからどうなるのかやや不安にも思うし。

Arctic Monkeys - The Car (2022)

ただやはり何度も書いている通りポップセンスの洗練が凄まじいので、全く違和感なく聞けました。
ここ最近のFourTetの動きはなんだかんだ見逃せないですよー。

そして先行配信の曲たちが全部よかった
アルバム内でアンセムとしてめっちゃ光ってる。
アルバムの長さも40分前後で聞きやすいし、ポップセンスもカンストしてるし、アンセムもそろってる。
これはもうエレクトロは完全に表舞台の音楽ってことでいいでしょう。

先行配信以外で個人的に好きだった曲は ②と⑥ ですかねー。
ポコポコキラキラした音が気持ちよすぎて鳥肌立ちすぎて危うく鳥になって空まで飛んで雲を超えて星空を見てああ俺って生きてるんだなってなんか一人でしんみり実感しちゃったりしてそのまま儚く死んでいくところでしたよもー。
アンビエント好きにも、エレクトロ好きにもおすすめ!って言えるような二曲でしたね。


はいっつーことで、終ろう。
次はいつやろうか。わかりません。
そのうち、また、会いましょう。おつかれさま!


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