育休中の(リアルな)お金の話
6月の頭にふたりめの子どもが産まれて育休に入りました。2.5ヶ月の予定で、3週間くらいが経過しました。まだ妻が里帰り先にいるので僕は保育園に通う上の子の送り迎えやご飯を作って過ごしています。
男性として育休を取る話をするといろいろなリアクションがありますが、よく聞かれるのが育休期間中のお金の話。「どうやって生きてるの?」的な質問をよくもらうので実体験をふまえて書いてみます。
記事のサマリー
- 出産・育児関連のお金は入金が遅いので無収入期間がある
- 育休給付金シミュレーターと滝チャートでお金の出入りを予測しよう
- 育休は中長期的にはコスパの良い投資になる
育休の最初の2ヶ月は無収入と思った方がいい
出産に関連するお金は国や公共機関のいろいろなところから出ます。出産手当金や出産育児一時金、育児休暇給付金などいくつか種類があってわけがわからなくなりますが、支払いのタイミングがあまり融通が利かないのが特徴があります。手続きのタイミングにもよりますが、誕生から大体2.5-3ヶ月くらいのタイミングで着金になります。ほとんどのケースでは最初の2ヶ月を無収入で過ごすことになると理解してます。
細かい制度は厚労省のサイトが詳しいので見てみると良いです。
例外があるとすれば会社に制度があって補填をしてくれるケースか、あるいは完全には仕事を休まずに働いていることでお金を得ているケースのどちらかかと思います。
自分はどう対応したかというと貯金です。もともと取る気満々だったので準備してましたが、そうもいかんというケースは多々あると思うのでこのあたりは行政に頑張って欲しいところだと感じてます。民間サービスにするとどうしても手数料ビジネスになってしまうことがほとんどだと思うので。
怖いので予算計画を立てる
産まれる直前の何日かは仕事しましたが僕の6月の給料は2.7万円くらいでした。予測はしていたけど「えっ」みたいな気持ち。そんなキャッシュフローの中で家賃もカードの引き落としも待ってくれれず平気で何十万円もお金が引き落とされていくのでなかなかスリルがあります。
完全に余談ですが今回の出産直前に会社の株価が一夜にして半分近く落ちました。高梨沙羅ちゃんが飛び立っていきそうなチャートを描いています。いくらか株やストックオプションを持っている身としてはなかなか手痛い出産祝いでした。それに我が家は7月に引越しと結婚式を予定しているということもあってキャッシュアウトがなかなかのハイペースで進行中。
心の安定は予測可能性の確保から、ということで育休中の予算計画を事前に立てておくことをおすすめします。
シミュレーターを使ってお金の「入」を把握
育休中のお金の入り方は完全に予測できるものなのでわかりやすいです。こちらのサイトがかなりわかりやすいので僕は事前にこれを使って入ってくるお金の総額とタイミングを把握しました。
ざっくりと情報を入れるだけでいつ・いくらもらえる?がわかるのでかなりわかりやすいです。
こんな感じで結果が出ます。
家計の見える化をしてお金の「出」を把握
今度はお金の出ていく方を把握します。滝チャートが非常に便利なのでおすすめ。詳しくはこちらの記事を参照もらえるとサンプルもついてるのでやりやすいです。
↓これが滝チャート。上の記事のサンプルから簡単に作れます。
個人的意見:育休中の家計管理は男性がやった方がいい
産前産後ってどうしても女性側に肉体的・精神的な負担がかかると思います。お金のことを見てると不安になる要素が多いので、夫の方でここまで書いたようなことをやって、「今月の予算はこれ!」とだけ示してあげるのが安心安全につながるのではないかと個人的には思ってます。
本格的にやり始めると仕事っぽくなるし、結構面白いですよ、家計管理。育休中に限らず子どもが産まれると教育資金や住宅の購入などお金周りの管理を強化する必要があります。NISAやiDeco、住宅ローン減税などなどいろいろお得な制度があって避けられない話なので夫婦でお金の話は早く始めたほうが良いと思ってます。
あ、もちろん保険の見直しも!
*筆者はライフネット生命に勤めていました
育休は長い家族の関係を築く"コスパの良い"投資に
はじめて子どもが産まれそうな夫婦には最近はこの2つの本を強くおすすめしています。どちらも読みやすいですし、産後から男性が積極的に育児に携わることで夫婦間・父子感の関係性が中長期的に良いものになることがエビデンスを持って書かれているので夫婦で揃って読むとかなり効果的です。
共通して出てくるキーワードが「オキシトシン」というホルモンです。このホルモンが良くも悪くもさまざまな機能を果たしていて、男性側からすれば「自分が子どもをかわいいと感じられるか」「妻が自分を長期的に仲間とみなしてくれるか」ということに強く関係してくるんだそうです。
女性は妊娠中からどんどん分泌が進みますが男性側は実際に育児をすることで分泌が進むそうです。逆に言うとやらないと出ないので「子どもがかわいいとは感じられない自分」になってしまうリスクがあったりします。一説にはこうしたリスクが顕在化したのが家庭内の虐待であるというような記述もあります。こうしたリスクを避けて長期的に良い家族関係を築いていくことで育休は非常に効果的だと考えています。
妻との関係という点においても良好な関係を築く上では重要だそうで、逆に関係構築がうまくいかない場合はその修復に長い時間を必要とするとも言われています。こうした面から考えても少なくとも産後は積極的にパートナーをサポートできるのが望ましいですし、その後も持続可能なペースで子育てができる体制を構築していけるようにする必要があります。
まとめ
- 育休は中長期的には非常に良い投資だがお金との付き合い方が大事
- 各種の給付金は支払のタイミングが遅いのでしっかりと備える
- シミュレーターや滝チャートで予測可能性を高めることで不安が減らせる