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勘や経験に頼らない「データインフォームド」なチームを目指す| グッズ CRM 責任者 和田 峻一


和田 峻一 | Shunichi Wada
早稲田大学法学部卒。人材大手、生産財ECサービスでデジタルマーケティング業務に従事。2019年、スマートフォン動画広告プラットフォームを開発・提供する FIVE にシニアアカウントマネージャーとして入社。M&Aにより2020年にLINE転籍後、立ち上げ期の LINE 広告 Self Serve プロダクトにおいて事業企画担当としてサービスの成長を牽引。その後、チームマネージャーとして広告事業のデマンド領域全体のビジネスアナリティクス、および最適化アルゴリズムに基づく広告運用の最適な設計を構築するプロジェクトをリード。2023年5月に グッズに入社。趣味はクラフトビールと読書。

マーケターとしてキャリアをスタートし、デジタルマーケティング〜CRMまで幅広く経験

グッズ入社まではどのようなキャリアでしたか?
大学卒業後、新卒で広告代理店に入社してデジタル広告のプランニングやクリエイティブディレクションを一通り経験した後に、もっと上流からマーケティングの仕事をしたいと思い、マイナビに転職しました。

マイナビでは人材育成のサービスのマーケティング施策の立案から実行まで取り組みました。

マーケターが一人しかいないチームだったので、幅広く業務を経験できてやりがいもありましたが、もっと大きな事業でマーケティングのスキルを高めたいと考えて、製造業のB2B ECで業界トップのミスミに転職。主に国内事業のマーケティングを行う部署で担当商品のプロモーションに取り組みました。

それまではマーケティングの中でも特にデジタル広告を中心に経験を積んできていましたが、ミスミでは広告以外の取り組みとしてCRM領域の業務に従事しました。

FIVEに転職して現グッズの創業陣と出会う。データ分析を強みに、LINEでは社内表彰も経験

その後グッズの創業陣が経営していたFIVEに転職して、LINEに転籍※してからはLINE広告の中でも「セルフサーブ」と呼ばれるユーザーが自分自身で広告を運用できるサービスを担当していました。
※FIVEは2017年にLINEにM&A

FIVEに入社してからSQLを習得し、この頃からデータ分析を強みの一つとして「実行と分析をバランスよくアクションして売上につなげる」ということを大切にしています。

LINEのセルフサーブ機能はリリース後しばらく低迷していて、当時PMI後のLINEでこの領域を担当していた菅野さん(現グッズCEO)から「力を貸して欲しい」とお声がけいただいたのがきっかけでチームにアサインされました。

周囲の協力もあり、結果的に売上はV字に回復して伸びていって、その年は広告事業本部のBest Planner賞を受賞しました。

分析はあくまで手段。データを使って売上を伸ばすところまでがセット

どのようにして表彰に繋がるような成果が出たと整理されていますか?
振り返るとSQLを駆使してデータを深堀りしながらも、分析してレポートを作って終わりではなく、セールスと一緒にクライアントの運用を改善するところまで実行しきったことが売上の改善につながったと思っています。

データ分析はあくまで手段なので、データを分析した結果どうしたら売上が伸びるのかを考えていますし、売上が右肩上がりになっていくグラフを眺めているのは楽しいですね。

LINEでもCRMの業務をされていたのでしょうか?
CRMという名前のついたチームではありませんでしたが、LINEでは一貫して「深く顧客のことを理解して、施策や改善案を考えて実行していく」という業務に従事していて、これは本質的にCRMに通ずるところだと思います。

実際に取り組んでいた施策はウェビナーの開催やFAQ作成等の顧客ナーチャリング施策でした。これは今のグッズでのCRM業務にも繋がる部分かなと思います。

グッズではバイヤーコミュニケーション全体を担当

グッズではどんなお仕事をされていますか?
Head of CRM & Digital Marketingとして、バイヤーサイド(雑貨店などグッズで商品を仕入れるユーザー)全体に責任を持っていて、バイヤー獲得やCRMを含む登録バイヤーのコミュニケーション等を行っています。

バイヤー獲得はデジタルマーケティングを主な手段として、CAC(顧客獲得単価)とLTV(顧客生涯価値)を最適化するために広告、LPの運用、クリエイティブディレクションなどを行っています。

またグッズでは集客してきたユーザーにオーダーしてもらうために電話、メール、DMなど様々な方法でアプローチをしています。顧客の目線で見たときに適切なタイミングで適切な情報が届くように、各チャネルを統合してコミュニケーション設計を行っています。

勘や経験に頼らない「データインフォームド」なチームを目指す

和田さんが業務に際して重視していることを教えて下さい!
明確な仮説を持って施策を考えて、しっかりとデータを分析して施策の効果を測定することが重要だと考えています。データインフォームドであることを重視しているとも言えます。

マーケティングって「色々施策を打ってみたけど、結局何が効いたのかよくわからない」というのが起きがちだと思うんです。

勘や経験に頼った施策で上手くいくこともあると思うのですが、それでは再現性が低くチームのナレッジにもならないので、データを分析したり調査をして明確な仮説を持ったうえで施策を実行するようにしていますし、あらゆる施策を可能な限りデータで評価するようにしています。

ユーザー理解を重要視。データだけではなく、時には直接架電することも

もう一つ大事にしているのは、自分自身がユーザーのことを深く理解していることです。
データを見て「ユーザーはこういう行動をしているようだ」と知ることも大事ですし、実際にユーザーに話を聞いてその行動がどういう気持ちやニーズから発生していることなのかまで理解できると尚良いです。

なるほど、具体的にはどんなことをされていますか?
例えば、複数回購入してくれているロイヤルユーザーと1回購入したきり離脱してしまっているユーザーの違いを理解してコミュニケーション設計をしたいと考えたときには、直接ユーザーに電話をしてヒアリングを実施しました。

すると、どうやらロイヤルユーザーは「グッズに行けば欲しい商品が見つかる」と思っているのに対して、離脱ユーザーは「欲しい商品があって登録して最初の購入をしたが、それ以外の商品を探すことに課題を持ってそうだ」ということがわかりました。
その結果、もっと商品が見つかりやすくなるように「CRMとして商品のレコメンドに注力しよう」と考えたりしました。

エンジニア、デザイナーと共に行動ログを具に眺めて改善に活かす

また、ユーザーを深く理解することをテーマにしていた時期には、エンジニア、デザイナーと一緒に、毎日ユーザーの大量の行動ログを一人ずつ眺める会を実施したりしていました。

実際にユーザー一人ひとりがどういう行動をしているのかを個別に眺めると「商品を購入する前にはブランドの詳細ページを閲覧する率が高いな」とかユーザーがどんなモチベーションでサイトを使っているのかが見えてきて、実際にプロダクトの改善や施策のアイディアに繋がりましたね。

施策に引っ張られることなく「ユーザーの価値」を起点にして考える


もう一つ加えると、どんな施策を実施するかというHowの部分に引っ張られるのではなく、ユーザーに対して価値を生むかどうかを常に重視しています。

例えば「生成AIを使ってパーソナライズされた商品をおすすめしてみよう」というアイディアは面白いですが、生成AIやパーソナライズはあくまで手段です。

本質的にバイヤー視点で「パーソナライズするとなぜユーザーに響くのか」「生成AIを活用するとどんなメリットがあるのか」に徹底的に拘る必要があると思いますし、さらに言えば生成AIを使った技術的に高度なオススメを行うよりも、メールを送るタイミングを再検討したほうが価値が高いかもしれません。

グッズのバリューで掲げているStart with Value (価値から始めよう)を普段から体現されているのですね。

グッズの構造化されたデータベースは分析者にとって「福利厚生」。マーケターにとってこれ以上ない成長環境

和田さんは普段からデータと向き合いながらお仕事をされていますが、グッズの分析環境は整っていますか?

グッズはスタートアップということもあり、事業として見るべき指標が定まりきっていません。そのため、BIツールなどで簡単に分析できる環境を整えるには時期尚早で、自分でSQLを書いてBigQueryからデータを取得、加工して分析を行うなどしています。

そのため、グッズでマーケターとして自走するためには、JOIN等を用いたテーブル結合を要するデータ抽出・分析を独力で実行できる程度のSQLのスキルが必須です。

個人的な感覚ですが、グッズのデータベースはわかり易く構造化・整理されていて非常にSQLが書きやすく、分析者にとっての福利厚生に近いものがあると思っています。

私もこれまで様々な会社のデータベースを触ってきて、世の中には初見ではわからないデータベースがごまんとある中で、どこをどのようにJOINすればよいのか分かるのはすごいことですし、分析もできるマーケターとしての成長環境としてはこれ以上ないと思います。

作業者ではなく裁量を持って自走する人を求む

どのような方と一緒に働きたいですか?
メール、LINEの公式アカウントに加えて、はがきのようなオフライン施策など、あらゆるコミュニケーションチャネルにおける戦術の立案と実行をまるっとおまかせできる方だと嬉しいです。
作業者ではなく「グッズのユーザーがロイヤルになるためにはどうするのがベストか」を一緒に考えてくださる方と働きたいと思っています。

人生の有限な時間を懸けるからには、その人の人生が豊かになるようなキャリア形成を一緒に考えたい

「なぜ人生の有限な時間を懸けてグッズで働くのか」という問いに対して、皆さんそれぞれの答えがあると思うんです。

その志向性のベクトルが完全に会社が目指す方向と一致していればそれは素晴らしいと思いますし、そのほうがより大きなモチベーションで働くことができると思うので、できる限りすり合わせていきたいなと思っています。

業務上完全に一致させることは難しくても、開発したいスキルがあればできる限り一致させるために努力して一緒に成長していきたいですね。

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