レイシズムを体験した日 2

2015年ころだっただろうか、ある晩、友達(白人オーストリア人男性)と, ブライトンにある人気のクラブ/バーに行った。店には問題なく入れたのだが、二人で店内で話していると、バウンサー(警備)が私のところに来て、いきなり「店から出て行ってもらえませんか?」と言ってきた。なぜ?と聞くと、「他の客から、あなたがDVDを売っているとの抗議があったのです。」との事。

フザけた話だが、出ていく理由は何もない。「好きなだけ調べたら?DVDなんか出てこないよ。」と言うと、間違えた事に気付いたのか、その客の話を確認しに行くと言って去った。結局、その客に確認が取れたのか分からないが、私は追い出されることはなかった。ちなみに、そのバウンサーは黒人だった。

当時も今もバウンサーを責める気はない。誰かが、悪ふざけでバウンサーに言ったんだろう。本当の悪人はそっちの方である。しかし、そのステレオタイプの像を信じたバウンサーにも問題があったとは言える。

DVDというすでに時代遅れのメディアを使った話だったこともあって、この話は周りに笑い話として受けとめられたのだった。その一方で、私自身は二度と、その店には行くことはなかった。

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