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管理職になりたくない、自信がないと迷っている人に知ってほしいこと

今回は、Good Teamの中でも、ご相談者の管理職を明るい気持ちにしてくれることで大人気の平井厚子メンターが、最近増えてきたお悩みの一つである「管理職になりたくない、自信がない」と迷われている方向けに、ご相談者
の可能性を広げていった事例をご紹介してくれました。

管理職としてのキャリアをスタートされたばかりの新任管理職の方にも参考になる内容だと思います。是非ご覧ください。

【今回のご相談】

 37歳女性です。上司から課長昇格の打診をうけました。正直、まだ管理職になる自信がなく不安です。今は独身なので家庭との両立などはありません。逆に、このまま結婚しないとしたら、管理職になって収入を増やしたほうがいいかなと思います。でも責任が重くなることや、メンバーの指導育成なども任されるかと思うと、やっぱり自信がありません。どうしたらよいでしょうか。

1. 調査結果からみる管理職の指向

 「管理職になりたくない」という相談は少なくありません。データをみてみましょう。厚生労働省調査「平成30年度 労働経済の分析 -働き方の多様化に応じた人材育成の在り方について-」によると、「管理職になりたくない」は61.1%、「管理職になりたい」は38.9%でした。

 「なりたくない理由」のベスト3は「責任が重くなる」「業務量が増え、長時間労働になる」「現在の職務内容で働き続けたい」となっています。「なりたい理由」は、「賃金が上がる」「やりがいのある仕事ができる」「仕事の裁量度が高まる」です。

2. 管理職になりたくなかったAさんのケース

 冒頭の相談者と似たクライアントを担当したことがあります。
 その方、Aさんは、昇進の際、上司に説得されてやむなく管理職を引き受けました。

Aさんはここまでの実績と、女性管理職を登用したい会社方針とが合わさって、昇格推薦を打診されました。しかし、彼女の中には「メンバーとして現在の職務内容で働きたい」という想いも残っており、管理職になることに納得しきっていませんでした。

 昇格当初は、何をやるにも自信が持てず、うまくいかないことがあると、どうしても他責になり「なりたくてなったんじゃない」と、彼女自身も苦しむことが増えました。その影響で、他責思考の上司の下で働く部下たちは、上司の思考を感じとって防衛的になり、職場は委縮して活気がなくなり、彼女はさらに悩むことに。

 上司の期待に応えられないことを気に病み、活気がなくなった職場を見て「課長を辞めたい」「辞めたら会社にはいられないから、転職するしかない」というのが、彼女の相談の主訴でした。

2−1. 腹をくくったら、見えてきた世界があった

 面談に来られたときAさんは、何をどうしていいかわからない状態でした。それでもお話しを伺ううちに、決して今の会社を辞めたいのではなく、ここで課長の仕事をやりきりたいのだとわかりました。
 
 そこでまず、上司に対して「自分のどこが評価されて昇格したのか」を再度確認してもらいました。自信を失っていたAさんに、原点を思い出していただくためです。

 その後は、Aさんが職場で困っていることを一つ一つとりあげ、どうすればできるのかを一緒に検討しました。例えば、仕事の依頼の仕方、言いにくいことを伝えるときのコツ、部下の話のきき方などです。Aさんは一つ一つの課題に誠実に取り組み、相手の反応をうけて修正し、を繰り返しながら、徐々に自信をつけていかれました。
 
 ただAさんの場合は、「言いにくいことを伝える」で大変苦労しました。「そんなこと言うくらいなら自分でやる」とAさんはかたくなで、なかなか思うようにいかなかったのです。
 じっくり話し合うなかで、Aさんは部下に嫌われたくないという気持ちが強いことがわかりました。部下だけでなく、人に嫌われたくないといったほうが近いかもしれません。

 そこで、「はたして、全く誰からも嫌われないで生きていけるのか?」と問いかけたときのAさんの答えが「覚悟をきめる」でした。「覚悟を決めろってことですね」とおっしゃいました。決して私から、覚悟を決めろなんてことを言ったわけではありません。面談のなかで彼女自身から出てきた言葉です。ここでAさんは自分の進路に、ストンと腹落ちされたのだと思います。

 腹がきまったAさんは、できていることに目が向くようになり、悩みを上司に相談できるようになりました。課長の仕事の面白さにも気づかれ、足りないスキルや知識を勉強する意欲も出て、課長としての自信を取り戻されて現職にとどまられます。

昇格当初の戸惑いや悩みは全く消えて、彼女自信も周囲も彼女の成長を感じています。管理職になってみたことで自分の新たな可能性を広げていかれました。

【今回のご提案】 時には波にのってみる

 神戸大学大学院の金井壽宏教授が提唱されたキャリアの考え方に「キャリア・ドリフト」があります。

 何十年にも及ぶキャリアの全体をデザインしきれるはずがありません。
時には流された方がいい、いやむしろ流されるべきです。そうしてこそ思わぬ掘り出し物や、新たなチャンスに巡り合って大きく飛躍できる。
 流されるというと聞こえが悪いですが、ポジティブに 捉えれば、偶然も『味方につけながら』、流れの勢いに乗るという意味合いにもとれます。節目でキャリアをデザインしたら、しばらく流れに乗る。この繰り返しが、よいキャリアを築くことにつながるのだと思います。 

「あしたのヒント」神戸大学大学院経営学研究科 金井壽宏教授コメントより抜粋
https://www.shimadzu.co.jp/boomerang/30/06.html

 Aさんはしぶしぶながら「課長昇格」の波にのりました。のってみたら最初はやはり苦労したものの、徐々に適応されて、「覚悟を決める」と、ビジネスパーソンとして一皮むける経験をされました。

 管理職になりたいと思ってなくても、やってみることで広がる世界があります。思いがけない機会にであったら、思い切ってのってみる選択も「あり」です。

ただ、未知の領域に切り込むのに、自分ひとりでは不安かもしれませんね。いいアドバイザーやメンターとの出会いがあれば、思い切って波にのって自分の可能性を広げられるのではないでしょうか。


<この記事の担当メンター>
平井 厚子|Hirai Atsuko
國學院大學卒業後、株式会社公文教育研究会入社。1987年富士通グループ・ソフトウェア開発会社の教育担当者に転職。未経験ながら社員を巻き込み、教育体系を作り、整えた。2000年管理職昇格、合併のため親会社に転勤。また信頼される関係づくりからスタート。「聴く力」が強みになる。2004年からはキャリア開発教育を立ち上げ、40歳と50歳の研修を担当。いわゆる「中年の危機」と向き合う。メンタルダウンでの休職も経験し2020年独立。「可能性を拡げて納得できる働き方を!」を理念に、働く人の能力開発と悩み解決に取り組んでいる。

https://www.goodteam.jp/mentor-hiraiatsuko

〜最後に〜

いかがでしたでしょうか?
管理職になりたくない、自信がないと迷っている人に知ってほしいことをご紹介させていただきました。

もし、管理職になることを迷っている方や、1人では難しいかもしれないけどアドバイザーや社外メンターなど、利害関係なく安心して相談できる人がついていればチャレンジできるかもしれない・・!など、管理職として一歩踏み出す勇気が欲しいときや、これからのキャリアに向き合いたい時は、是非Good Teamの体験セッションをご利用ください。

管理職として自身のキャリアに悩みながらも管理職として成果を出してきた経験と、人間の可能性を最大化し意識の変容を起こすプロである、Good Teamの社外メンターが、あなたの管理職としてのスタートを全力で支援します。

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