PR視点のキタエカタ〜PRパーソンが陥りがちなキャズムを超える方法を考えてみたっす〜
prologue.「だーやまさんって、PRのヒトじゃないよね?」と言われ続けて思うこと
独立してからこれまで、僕の印象として、「広報やPRのヒトじゃないですよね?経営ボードメンバーとか、ビジネス設計を理解しているヒト話してる感覚ですわ」と言っていただけることが増えました。
おそらくですが、自分自身が経営をしてみたこと、そして、スタートアップ企業を多く経験して、PRが本当に担うべき役割とは何か?を突き詰めて考えるようになったことで、よりその印象が強くなったのだと思います。
僕自身、約13年前にPR業界に入って、最初の4年間ぐらい、「PR=パブリシティ活動、広報活動」だと考えていました。
しかし、“自分がしている仕事が、クライアントの何に寄与しているかがわからない”という、疑問を持ち始めてから、いろんなものの見方を変える努力をしてきました。
“自分がしている仕事って、クライアントの何を解決していて、その結果がどのようになってればいんだっけ?”という最適解を探すために、日々、試行錯誤をしています。
割と多くのPRパーソンと話をしていて聞く悩みが、
「いまの仕事のキャリアパスが見えない」
「自分が身につけるスキルがわからない」
「パブリシティ活動要員としか見なされない」
など、自分のあるべき姿が見えないために出てくる要素が多い印象です。
PRに関わるヒトに訪れるキャズムとして、「PRってパブリシティ活動だけでいいんだっけ?」問題というのがあると思います。
多くのPRパーソンは、そこで立ち止まって、もがいて、考えて、悩んでいます。でも、実はそれって、「考え方のOSを変える」「視点を追加する」という二点で、少しは解決できる悩みなのかもしれません。
ご存知の方もいるのですが、僕自身、「The PRパーソン」というキャリアを歩んでいません。それは、日本国内で求められているPRの定義があまりにも狭いと思ったからです。その結果、様々な視点で事業の成長、そしてPRのあり方を考えるという習慣ができているため、冒頭のようなことを言っていただけるのだと思っています。
なので、今日は、「踊り場にいる」「キャズムにはまっている」と感じている人たちのgoodstoryに少しでも繋がる考え方のヒントをご提供できればと嬉しいです。
episode01.PRパーソンは”広報の知識”と”自社のことを深く理解していれば良い”というステレオタイプ
最近でこそ、PRはすべての人が持つべき視点である!という風潮が、スタートアップ経営の成功例やコミュニケーション事例の成功例からささやかれるようになりました。
それでも根強く残っているのは「PR=広報=メディア対応」というイメージのために、「PRパーソンは、広報手法とメディアへの理解があれば良い」という、PRパーソンのあるべき姿のステレオタイプです。
PRの勉強会、広報の勉強会と評して行われるイベントは、大体が「メディアに取り上げられる方法」。そして、各社のメディアに取り上げられた事例や手法を全員で共有するというが、主なコンテンツです。
いつも聞いていて思うのが、各社それぞれ、”課題”も”事業”も”成長スピード”も、そもそもの”リソース”も違う中で、盲目的にTipsばかりを追うのは、
勿体無いのではないかということです。その時間分だけ、もっとできることがあるはずです。それは、
1.自社の事業成長におけるボトルネックを探すこと
2.ボトルネックが解消されたのちのあるべき姿を明確に描くこと
3.そのために最適なPR戦略と手段を設計すること
の3点セットです。
しかし、それらを突き詰めて考えるためには、これまでのPRパーソンは”広報の知識”と”自社のことを深く理解していれば良い”というステレオタイプが持つ知見や能力だけでは到底難しいと言えます。
そこで、僕がご提案したいのは、PRパーソンこそ、「真実の扉を開いて、考えるための視点を手に入れる」ということです。PRパーソンと話をしていると、やはりパブリシティ戦略だけに終始してしまう人が多く、「それって、なんで必要なんだっけ?」というIssueを明確に持っている人と出会うのが稀だったりします。
だからこそ、悩んでいる人は、とにかく視点を手に入れるというマインドセットをまずは持ってみてほしいのです。
episode02.PRパーソンが知るべきなのは、”事業”と”人間”の全部
では、どんな知識を得て、どんな視点を身につけるべきか?
それを考える前に、PRについてちゃんと向き合ってみるのが良いと思います。
PRは、”合意形成”がゴールと考えると、まず人を理解し”参画してもらう”こと、そして、PRの対象である事業がどのような社会的、そして、パブリックのストーリーの中で、”どんな役割かを明確に定義する”ことが必要です。
そうなると、前述した”広報の手法”や”メディア理解”だけでは、PRのゴールを達成できないことがわかります。
そのために必要な知識、そして学ぶべき知識を洗い出していくと下記のような項目が考えられます。
○経営/事業戦略
○ブランディング
○マーケティング
○社会学
○心理学(社会心理、行動心理、認知心理)
○UI/UX設計(体験設計)
○コピーライティング(参画をさせるために最適な表現、ビジョンを描くためのコトバの設計)
○プロモーションプランニング
○イベントプランニング
○デザイン審美眼
○広報Tips
○メディア理解
etc...
書き出すとキリがないのですが、合意形成=参画というアクションを起こすためには、あらゆる角度や視点から検証し、手法にとらわれない最適な手段を見つけていく必要があるからです。
つまるところ、“PRパーソンだけが知っておくべき知識”なんてないんじゃないかとずっと思っています。すべては事業活動の一環であり、事業成長を加速させるファンクションとなるのがPR。だからこそ、すべての視点を知った上で、課題および事業成長のボトルネックを解消していくためのPR戦略や打ち手を設計することが、本当に求められていることだと僕は考えています。
epilogue.キャズムを乗り越えるためには、枠の外に飛び出す勇気
正直、新しいことを始めて失敗することが怖いのは誰でも一緒です。
でも、それは最初だけで、やればやるほど、使えば使うほど、自分の頭の中で融合され、思考が熟練されていくのも事実です。
もしも、「踊り場にいる」「キャズムにはまっている」と感じていたら、
視点を身につけて、自分の仕事の意義と価値を深めて、強くすることで、
PRパーソンとしてのレベルは格段に上がっていくはずです。
そして、このブログに書いた内容は、あくまでも僕が思っていることで、
正解ではないですし、他の人の意見や合う合わないがあるはずです。なので、まずは一旦取り入れてみて、必要なければ捨てる、というぐらいの気持ちで、向き合ってみてもらえると嬉しいです。
このブログが、悩んでいる誰かのgoodstoryに少しでも繋がればと願っています。いつかどこかで、あなたのストーリーを聞かせてください。
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