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オーディオのお話(14)音質激変!ターンテーブルをメンテしました!

今回はターンテーブルの話題です。

長年使い続けてきたテクニクスのSL-1200MK3。1990年代に新品で購入以来、30年以上、トラブルなく動いていますが、今後もさらに30年使い続けたいと思って、初めてメンテナンスに出すことにしました。

「お願いするならここ」と以前から思っていた下北沢にある「エレガントピープル」さん。本来ならどなたからの紹介がなければ受け付けていただけないところですが、メールをしてメンテナンスしていただけることになりました。

持ち込んだのは、小田急線の下北沢駅と東北沢駅の中間にある工房。フルメンテナンスに加えて、高音質改造もお願いしました。

修理の時間は3時間。午後2時に持ち込み、昼食をとったり、カフェで本を読んで過ごし、夕方5時に取りに行きました。

休みの日に何枚かレコードをかけてみました。

驚きました。ここまでとは!

電源を本体の外に出した効果でしょうか。これまでに比べてノイズがぐっと減り、静かになりました。とりたてて高音質を謳っていない普通のレコードでも、安い丸針のMMカートリッジから、ズッシリと図太い音とともに音像が立体的に浮かび上がりました。

カートリッジをGRADOのPrestige Green3に替えて、スークトリオのベートーヴェン「大公」(1975年盤)をかけてみました。ヨセフ・スークのヴァイオリンのピッチカートが生々しく、ヤン・パネンカの滋味あふれるピアノの音色が魅力的です。私が思っていたより、かなりハイレベルな演奏と録音だったと気付きました。

ジャン・ユボーとヴィア・ノヴァSQによるフォーレのピアノ五重奏曲のレコード。録音が古く、ややこもった音で、ハイファイ的に鳴らすのが難しい盤だと思っていましたが、音がリアルで驚きました。ユボーのピアノの一音一音に芯があります。カルテットのヴァイオリンやヴィオラの鼻にかかったような音もよく聞き取れます。演奏者が目の前にいるようです。月並みな表現ですが、一枚ベールを剥ぎ取ったような音です。

ヘルベルト・ブロムシュテットが旧東ドイツ自体のシュターツカペレ・ドレスデンを振ったベートーヴェンの交響曲。低ノイズのお陰でピアニシモの余韻や弦や管の細やかなニュアンスがわかります。フォルティシモでは、重厚な和音がゴゴゴとスピーカーを鳴らし、アナログ独特の音圧が身体に響きます。正に快感。

どのレコード盤にも共通するのは、プリメインアンプのソースダイレクトをONにしたままで聴いていたこと。これまでは、レコードごとにトーンコントロールを使って音質補正をしていましたが、もはやその必要がないのです。

どうやら私は、長い間、レコードのポテンシャルを低く評価していたようです。レコードの音に、どことなく不完全な緩いイメージを持っていましたが、認識が誤っていました。おそらく、ターンテーブルの各所が劣化していたことで、レコード盤の濃密な音を引き出せていなかっただけでした。

エレガントピープルさんにメンテナンスと高音し改造を施してもらったSL-1200mk3は、見事に生まれ変わり、素晴らしい音を奏でてくれています。この音を出せるターンテーブルを新品で買うと数十万円するかもしれません。今回の高音質化で、そんな買い替えの必要はなくなりました。

エレガントピープルの松澤さんに感謝しかありません。

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