映画1000本 14本目 バンブルビー
2018年アメリカ映画 監督トラヴィス・ナイト
製作スティーブンスピルバーグ マイケル・ベイ
トランスフォーマーのスピンオフ作品、今までのシリーズはオプティマスと男性の話でしたが、今回は人気キャラクターバンブルビーと少女がメインの話となっており、脚本は女性が担当しています。
あらすじ
舞台は1987年のアメリカ、父親を亡くした少女チャーリーは、フォルクスワーゲンビートルに擬態したロボットを手に入れバンブルビーと名付ける、彼は故郷サイバトロンから先遣的に地球に派遣され、仇敵ディセプティコンも彼を追ってやって来る。
ディセプティコンは米軍に取り入り、米軍の通信インフラを使い、バンブルビーを探すと同時に故郷の仲間とのコンタクトを図ろうとする。
バンブルビーは米軍に捕まってしまうが、チャーリーは彼を救い出し、彼らは仲間を呼び寄せようとするディセプティコンを倒すことに成功する。そしてラスト、チャーリーは家族のもとに戻り
バンブルビーは仲間の元へそれぞれ別の道を歩むことになる。
トランスフォーマーは昔から好きで初代はトイを集めるくらいのファンでした。実写ハリウッド版は1作目と2作目は視聴済ですが、かなり前に観てるので今作との比較は難しい、ただトランスフォーマーのデザインや変形プロセスが昔よりシンプルで馴染みやすく思えた、昔はもっとゴチャゴチャした外見だった記憶があります。それも含め話のスケールが小さく登場人物も少ない上舞台も狭く比較的低予算で作られたのかもしれません。
登場するトランスフォーマーも最初のアクションシーン以外少なく、基本的に主人公とバンブルビーのやり取りや心の動きに時間を使ってます。
主人公が女性で脚本が女性なのでややポリコレを意識した内容になっていますが、終わってみればそれほど気にならないなとは思いました。
主人公のチャーリーは酷い状況でもそれほど取り乱さないし、年齢にしてはありえないほどの人格者だなとの印象です。バンブルビーが無茶なことをしても割とすんなり受け入れるし、状況を驚くより楽しめるキャラクターです、割とすんなり話が進むし、最後の別れもあっさりです。
話全体としては設定が80年代だからかとても懐かしいあの当時の明るく楽しいハリウッド映画のノリでした。これはスピルバーグが関わってるからなのか、自分の大好きなあの当時のスピルバーグ映画でした。なんかわざとチープにしてあの雰囲気を再現してるのかと思ってしまう。あの当時のお約束を全部再現したセルフパロディのような作りで、全体としてE・Tを模した展開でしたね
カースト上位のクラスメイトに馬鹿にされて、その仕返しをするのはいつものやつだなと思ってしまった。つまり万人受けするストーリー展開とも言えますね。父親との思い出のダイビングを最後に持ってくる伏線回収もいい、あと実はプロレスラーらしい冷徹な軍人が最初から最後まで出てくるんですが最後に人間味を見せてくれるのには安心させられた。
シナリオが優れていて無駄なキャラクターがいなく全て意味がある。泣かせるような感動のシーンはほとんどなく、爆笑シーンもないけどクスリとするシーンがあり、よく出来てるなあと関心しました。
あとスマホがなくても意外と問題なく話は進みます、ブラウン管テレビやビデオやカセットテープやレコードなど懐古主義者にはたまらないです。ローテクな犯人探しなども今より牧歌的で偶然の出会いにも説得力を与えてくれます。そうあのころは出会いは全て偶然だったんです、おじさんの工場にたまたまあったビートルがトランスフォーマーだとしても許される環境だったんです
トランスフォーマーはこれくらいのシンプルな青春ストーリーが一番フィットする題材なんだと制作者サイドが理解してたんでしょう。
絵的にも内容的にも疲れないバランスのいい作品です。
次はトランスフォーマーワンの予定です。
バンブルビーの前日譚らしいです。