
「現場」ってどんなところ?施工管理課の働く現場にお邪魔しました。
コスモスモアには、オフィス構築や移転を手掛けるファシリティ事業部と、本建築を手掛ける建築事業部の二つの大きな柱事業がありますが、それぞれの事業部の中には施工管理課が設けられています。施工管理課が担うのは、営業や設計の構想を実際に形づくっていく部分。
施工管理課の皆さんは現場で仕事をしていることが多いため、オフィスに来ることはほとんど無いという方も多いのが実情です。そこで、今回は普段オフィスで出会えない施工管理課の社員の方にスポットを当て、コスモスモアの建築事業部で手がける某企業様の新事務所棟の工事現場に密着しました。
お話を伺ったのは、このお二方

今回お話を聞いたのが、現場管理その道〇十年?コスモスモアの数々の建物を管理して来られた施工管理2課マネージャーの鯨岡さん。くじらさん!と色んな人に頼られる安定感を持ちつつ、少年のような愛嬌を持ち合わせた方。

もうお一方は、新卒入社四年目の、同じく施工管理2課の伏見さん。若手ながら落ち着いた優しさや真面目さがにじみ出ています。

この建物は、川崎のリサイクルセンター内に新しく建てられる鉄骨造3階建ての事務所棟。工事状況としては構造の建て方が終わり、これから外装内装の仕上げ工事に入る段階です。

敷地内に2階建ての現場事務所が建てられ、1階が職人の方々の休憩所、2階が事務所となっていました。コスモスモアの工事現場の現場事務所はマンションの一室などを短期で借りる場合も多いため、このようなプレハブの現場事務所は比較的珍しいケースです。

一日のはじまり
一日がスタートすると、朝礼を経て職人さんとのコミュニケーションをはかりながら現場を見回り確認。この日は階段の設置があり、クレーンで階段を釣り上げての大がかりな作業がおこなわれていました。


事務所での業務
現場を一通り確認した後は、事務所へ戻り事務作業。個人的に意外だったのが、一日のなかで事務所での事務作業の割合も結構多いということ。机に座っての業務も多岐に渡り、設計からあがってくる図面の確認や発注業務、また時には詳細な納まりを検討するために自分で図面を描くことも。


現場と設計担当とのやり取りは、iPadで「GoodNotes」という手書きノートアプリを活用しておこなっているとのこと。以前であれば、メールで送られてきた図面を出力して、手書きで赤入れして、スキャンしてメールで送って・・という一連の作業が必要だったところが、iPadや便利なアプリのおかげでよりスムーズなやり取りが可能になっているようです。「GoodNotes、本当に便利だから全員に入れて欲しい!」と熱望する鯨岡さん。

現場を都度確認
現場事務所での事務作業中も、都度現場を確認しに行ったり、職人さんからの質問に答えたりと、事務所と現場を行ったり来たり。忙しそうです。


定例会議をTeamsで
昨今のオンライン会議システムの普及で、この日も夕方から設計担当と現場の施工チームとの定例会議がTeamsで開催されていました。白熱した議題はトイレ内の詳細な納まりについて。設計側の意匠的な意向と現場からの現実的な提案のすり合わせを、議論を交わしながらおこなっていました。

現場での仕事の醍醐味とは?
現場で働く醍醐味や面白さってどんなところなのか・・、あらためてお二人に伺ってみました。
鯨岡さん

ー現場の仕事をひとことで言うと?
現場はスケジュールの段取りが仕事の九割九分。いざ工事を始めようという段階になってから準備を始めると時間的ロスが出てしまうので、常に逆算してロスを出さないような工夫をしています。具体的には、基本的なことだけれど事前に墨出ししたり、現場を片づけておいたり・・。ただどんなに気を付けていてもイレギュラーな事態は発生する。そういう時でも竣工を遅らせるわけにはいかないので、その場合の対応もやはり無駄を無くした段取りでオンスケジュールを目指しています。そういったやりくりが難しさでもあり、面白さでもあるかなあ。
ー職人の方々とのコミュニケーションはどのようにとっていますか?
人を観察するのが好き。職人さん一人ひとりをよく観察して、一様に同じに接するのではなく、それぞれに合わせたコミュニケーションをはかっています。ただあまりこちらがへりくだってしまうと信頼を得られないので、そのあたりの塩梅はとても気を付けています。
ーどんな時に大変さ、楽しさを感じますか?
この現場では毎朝の駅からのバス通勤が大変(笑)。(※筆者注 工場街へ通勤する人が多く、ラッシュ時はさながらインドの電車のように混雑している模様)あとはスケジュールが絶対なので、納期を遅らせることが出来ない責任の重さを感じるときでしょうか。
楽しさを感じるのは日々おこなっている段取りがうまく進んだ時。それから自分の考えた納まりがうまく行った時。あとはやはり、竣工した物件でお客さんに喜んでもらえた時が何よりですね。
鯨岡さんの持つ人間味のある人懐っこさと、段取りを組み立てる先を読む力で、現場を盛り上げつつ緊張感をもって率いているんだろうなあと聞いていて感じました。
伏見さん

ー現場での仕事はどうですか?
細かい納まりを見ていくのが好きなので自分に合っているように思います。現場の経験はこの物件で11件目。はじめはマンションギャラリーを担当していましたが、今回のような現場は今まで経験してきたものとまた違うので、とても勉強になります。
ー事務所での事務作業はどんなことを?
今は平面詳細図を現場で確認・修正しています。設計から上がってきた什器寸法やメーカーから送られてきたパーテーションの図面を確認して、実際に詳細図に当て込んだ時に寸法に問題がないかチェックしているところです。これを怠ると、いざ什器を入れるとき、パーテーションを建てるとき、入らなかった、建たなかった・・という事態になりかねないので大切です。
ー現場でのコミュニケーションはどう工夫していますか?
職人さんから質問されそうなことは事前に調べておいて答えられるようにしていますね。そうすることで、若くても徐々に信頼を得られるようになった気がします。
新卒四年目の伏見さん、様々な年齢層の職人さんとのコミュニケーションはどのように工夫しているんだろう?と思っての質問に、このように答えてくれました。現場を円滑に進めるために、信頼関係が大切なのだなあと改めて感じました。
さいごに
私自身、現場でのお仕事ぶりを間近で見せていただいたことは無かったため、とても新鮮な経験となりました。コスモスモアの建物や空間を形作る「現場」の最前線で、良いものをつくって行こうとされる確かな熱意を感じました。お忙しい中こころよく取材を引き受けてくださった鯨岡さん、伏見さん、現場の職人さん方、誠にありがとうございました!!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
本日の書き手:マーケティング統括部 みくら