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#1_「ナスビの学校」をつくろう!

子どもたちが「生きる方法」をできるだけたくさん学んで巣立っていく。そして,その学校を巣立った子どもたちが,誰にも操作されず,自分の人生を自分で歩んでいける。そんな学校をつくりたい。

そんな学校を「ナスビの学校」を呼びたい。

「ナスビの学校」には「生きる方法を豊かに学ぶ場」があります。
「ナスビの学校」には「民主主義を実践する場」があります。
「ナスビの学校」には「自分について探究する場」があります。
「ナスビの学校」には「伴走してくれるおとな」がいます。

……で,どうして,「ナスビ」なのか。
もっといいネーミングがあっただろうに,どうして,「ナスビ」なのか。
その答えは,1冊の絵本にあります。

『小学生のボクは,鬼のようなお母さんにナスビを売らされました。』という1冊の絵本。

この絵本に出会って,私は,自分自身の教育観をはじめて鮮明に自覚することができました。

この絵本に出会ったのは,小児科の待合室でした。その待合室にはたくさんの絵本が並べられていました。その中で,私の目に飛び込んできたのがその絵本でした。

なんとも強烈な表紙!気づけば手に取っていました。

ストーリーの詳細は,実際に絵本を手に取って,読んでもらえたらと思います。ここでは簡単に。

ナスビ農家に生まれた「ボク」。そのボクに,ある日,お母さんが鬼のような顔をして言います。「これをひとりでひとふくろ100円で売ってきなさい。」売れ残ったナスビを団地で売ってくるように言うのです。ナスビの売り方を知らないボクは試行錯誤をくり返します。しかし,なかなか売れません。お母さんは言います。「あしたはちゃんと売りなさい。」ボクは,どうしてお母さんがこんなことをするのか分かりませんでした。ある日,お母さんが入院しました。「はっけつびょう」でした。ボクが14歳のとき,お母さんは亡くなりました。「おまえがナスビを売っているとき アイツはいつもクルマのなかで泣いとったんぞ」お母さんは心を鬼にして,僕に〝生きるほうほう〟を教えてくれていたのでした。ボクはそのときはじめて,お母さんが「鬼のような顔」をしてナスビを売りに行かせた理由を知ったのでした。

「鬼のようなお母さん」のような学校をつくりたいと思いました。学校での様々な学びを通して,子どもたちが「生きる方法」を自分でつかみとっていける,深い愛情にあふれた学校をつくりたいと思いました。

「鬼のようなお母さん」のような教師になりたいと思いました。子どもたちに関わる様々な場面で,子どもたちが「生きる方法」を自分でつかみとっていくことを支える,深い愛情と確かな理論と柔らかな技術をもつ,そんな教師になりたいと思いました。

子どもたちが「生きる方法」をできるだけたくさん学んで巣立っていく。そして,その学校を巣立った子どもたちが,誰にも操作されず,自分の人生を自分で歩んでいける。そんな学校をつくりたい。

そんな学校を「ナスビの学校」を呼びたい。

それじゃあ,どうやって「ナスビの学校」をつくっていくのか。
私なりの「学校をつくる方法」を,少しずつ,綴っていこうと思います。

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