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はじまらない物語

本棚が気になった。棚の列に入らなくなった本が隙間を縫うように乱雑に置かれている。

始めよう断捨離、忘れない思い出(´・ω・`)

本棚から本を一冊ずつ取り出していく。

夫の本は読むか、読まないか、処分していいかの確認作業をする。

大体片付き、本は整理され、棚の中で背筋を伸ばすことができたようである。
ふぃ( ´Д`)=3

では参ろうか、ブック・オフ
(まさかこの下書き中に不祥事が発覚するとはね)

私は、母から貰い受けた生地の良い黒いシャツを着て出かけた。髪は子どもが口に入れたがるために染めていない。白髪が所々で顔を出している。

店員さん「こちらでよろしいですか?」

持ち込んだ本は十冊ほどで、中身は古いし、買取額は三百円くらいかな?と予想していたが、千円ほどで売れて(*´ω`*)ホクホクしながら帰ろうとしたところ

ブック・オフの狭い通路に置かれた椅子に、疲れているのか、中学生か高校生か分からないが、制服を着た男子学生たち3名が腰を降ろしていた。

仮に学生(翠玉さん、黄玉さん、紅玉さん)としょうと思う。※宝石のイメージで。

紅玉さんは、狭い通路に足を放り出している。他の二人は足を納めて座っている。

私は通るのを一瞬躊躇したが、と、通っていいよね?通路だし、と思い直し通過しようと試みた。

紅玉さんは私が通るので|彡サッと足を納めてくれた。
良かった、通れる(´・ω・`)となって、私が彼らの前を通過していたその時である。

翠玉さんが私に声をかけた。

翠玉さん「頑張ってくださいね!」

私(゚д゚)!?…、!?!?

知らない人に声をかけられると、私は相手が幼児であろうが、老人であろうが、一時的な思考停止のプチパニックが起きる。いじめの後遺症で制服を着た生き物も苦手である。
(店員さんなどのこちらが想定できる場合を除く)

が、彼等はまだ学生で、成人の私が全面にそれを押し出していいはずがない。
内心の動揺を押し隠し、初対面で緊張する相手に対して体面を保ちつつ言葉を振り絞る。

私「な、何?、何を(わたひに頑張ってほしいの)?」←だいぶ保ててない

翠玉さん沈黙

翠玉さん「えと、友達にいったんです(汗」
紅玉さん「バカッ…(小声)」
黄玉さんは静観モード

(;^ω^)

そんなわけはない。
が、私はその場を後にした。
(翠玉さんには通りすがりの人間に声をかける勇気と伝えたい想いか何かがあったようであるが、まだ言語化が難しいようである。ということにした)
この案件は数週間、私の頭を混乱させた。

へんなねんぱ


がんばれー

過去の記憶が呼び起こされる

私はひきこもっていた。

ハチミツとクローバーに触発されて自転車のペダルを漕いで数時間かけて海にでた。

しかし、何も獲られなかった。尻が痛いだけである。

帰る道すがら私はたちこぎをしていた。

行く時は、何かを獲られるかもしれないという希望の切符があり、懸命に漕いでいたその足は、ただの空虚と道のりと憤りを円グラフのように割り出し、交互にケンカしている。

道を通る車は次々と私を追い越していく。
まじこれ何時間かかるんだ?と己の愚かさを呪う

同じ道をいく一台の車が通る際に大きな声がした。
「がんばれー!」

わざわざ車の窓を下げて私に声援が送られた。

私は顔を赤らめた
そして、青春中のタスキの文字を手で握り潰すかのごとく、座って漕ぐようにした。

自分はドラゴンボールの悟空のようにかめはめ波なんて出ないし、出せないのに、何をやっているのだろうか?今の時代は水の呼吸か?

円グラフの中には新たに羞恥心が追加され、私は帰路についた。

がんばれー

それは子どもの声だった。
そこにある精神と肉体の健全さが織りなす発声は、私には一生かけても獲ることができないものであることに胸を焦がし、私の体は沈む夕陽を浴び、紅く染まっていた。

そして私はまたひきこもった。

このnoteを彼が見つけることができたなら、また青春?の1ページが違う意味を持つことになるかもしれない。

ハンター✖ハンター

そんなわけで登場人物の出方次第では物語はスタートを切れない(´・ω・`)

儚いまぶたこすって見える〜
パステル模様の未来に〜
散りばめられた記号をたどる〜

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