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目を閉じると、視界の端でみどり色の残像がゆっくりと流れていく。天井から水面を照らす太陽みたいに明るい白色灯を見つめたせいだ。まるで一緒に泳いでいるみたい、と僕はプールの温水に浸りながら、無意識に持ち上がる口角に気が付いた。 背泳ぎは好きだ。耳まで水に沈むと、まわりの音が聞こえなくなる代わりに自分の呼吸がやけに大きく聞こえてきて、ひとりぼっちになったような感じがするのが、特に好きだ。 クロールも平泳ぎも出来ない僕は、ただぽっかりと水に浮かぶことに夢中になった。それから、天