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7割の退職理由は人間関係!エニアグラムで築く職場のコミュニケーション術

前回からの続き、新入職員さんへの研修内容はついに最終章です。

職場における人間関係を構築するためには、まず自分自身の性格特性を知ることが重要です。そのために、性格分類学であるエニアグラムについて、基礎的な内容とその考え方を学んでもらいます。

AI時代と言われる今、AIが進化するほど人間の本質が問われる時代になっています。そんな流れもあり、エニアグラムを社内で活用する大手企業が増えています。これは、人をエニアグラムで管理することが目的ではなく、外からはわからない人間の内面をタイプ分けすることで、効果的な成長支援を目指すためのものです。

自分特有の価値観を知り、相手にもそれぞれ異なる価値観があることを理解すれば、自然と他者理解につながります。自分の「普通」は、他人にとって「普通」ではありません。このような思考特性や行動特性の違いをお互いに理解しなければ、相手に合わせることは難しいのです。

実際、多くの職場が大なり小なり人間関係に悩んでいます。人が職場を辞める理由の7~8割は、人間関係によるものだと言われています。しかし、「一番困っている人間関係づくりについて何か取り組んでいますか?」と尋ねると、多くの事業所は「管理者任せで、特に何もしていないですね」と答えるのが現状です。解決すべき重要な課題があるにも関わらず何もしなければ、当然何も変わりません。

もちろん、エニアグラムがすべてを解決してくれるわけではありません。タイプ分類も100%正確ではありませんが、自分や相手を理解するためのヒントにはなります。エニアグラムには相性診断もあり、うまくいく上司と部下の組み合わせがあれば、難しい組み合わせもあります。しかし、相性診断の本質は、合わないから諦めたり投げ出したりするのではなく、合いにくいからこそどうすればうまく付き合えるかを考える点にあります。それこそが、エニアグラムを学ぶ意義なのです。

まずは自己分析を行い、自分の長所と短所を把握し、相手との価値観の違いを理解した上で、タイプ別に人間関係を築いていきましょう。こういったことをあらかじめ新入職員に伝えておけば、職場に溶け込みやすくなります。さらに、職員全員のエニアグラムタイプをオープンにすれば、自分と同じタイプの人を見つけて互いに親近感を抱き、スムーズな人間関係づくりに役立つこともあります。

新入職員にとって、人間関係づくりの支援は必要不可欠です。その負担を少しでも減らす仕組みを職場に取り入れ、全員で人間関係づくりを学ぶ研修が求められています。

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