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介護現場の環境整備で業務効率アップとストレス軽減を目指そう

快適な職場づくりを考える上で重要なことは、何よりも良好な人間関係です。これはこれまで何度もこのコラムで取り上げてきました。
今回は、少し違った観点から考えてみます。それは、環境整備です。

施設が老朽化していると、空調機器の調子が悪く、温度調整ができなかったり、メンテナンスが行き届いていなかったりすることがありませんか?
利用者の健康管理を考えた時、室内の温度や湿度の管理は非常に重要です。しかし、多くの施設では、大規模な工事が必要などの理由で放置されていることが多いと感じます。そんな状況で「利用者の健康と安全に配慮してください」といくら訴えても、現場では何の説得力もありません。
むしろ反感を買うことになるでしょう。
スタッフはトップの言動より行動の方を見ているのです。

次に、パソコンのことです。パソコンは最新版にアップグレードされていますか?ネット環境は整っていますか?
介護の現場では、業務の効率化が最重要課題です。
利用者と直接関わる部分は単純に効率化できませんが、業務記録については徹底的に効率化できます。
しかし、パソコンの動作が遅かったり、フリーズしたりすると効率化どころか、不要なストレスを感じることになります。

最後は、介護負担を軽減できる介護機器の活用です。
私が注目しているのは、ノーリフトケアです。
実は私自身が、在宅で要介護5の義母のお世話をさせてもらっているのですが、寝たきりですので、ベッドから車椅子への移乗にはリフトを使用しています。
ほぼ毎日デイサービスを利用しているので、移乗は1日2回、年間で700回超えます。それでも、リフトを使えば小柄な妻でも、安全に、そして楽に1人で移乗させることができるのです。
在宅介護は4年目になりますが、リフトのない介護など考えられません。
これが施設だとどうなるでしょう?
1人の職員さんが1日20人の利用者の移乗に関わるとすれば、最低でも700回×20人で年間1万4千回ですよ。これが職員さんの身体にどれだけの負担をかけているか?
経営者や管理者のみなさんには是非この現実を考えて欲しいと思います。

今回は特に気になる3つの環境整備を取り上げました。スタッフが働きやすい環境づくりに最大限努めることも、人財獲得において重要な戦略のひとつです。


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