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なぜスタッフは職場を去るのか?見逃してはならない「話が違う」とは?
業種を問わず、人が職場を去る理由には3つの共通点があります。「話が違う時」「孤独を感じる時」「成長を感じられない時」です。今回は「話が違う時」について取り上げます。これは、入社前に聞いた待遇の話と実際の現場に乖離があった場合に生じます。
条件面などについて現実を正直に伝えることは当然のことですが、意外とできていない場合が多いです。たとえば、出社時間や退社時間が面接時に説明されたものと違っていたり、残業は無いと説明されたのに実際にはある、夜勤をしなくて良いと聞いていたのにやらされる、などです。こういった不満があると、仕事内容以前に経営者や管理者への不信感が生まれ、信頼関係が崩れてしまいます。「何を信じていいのかわからない」と感じ、裏切られたとか、騙されたという思いが根強く残ります。一度失った信頼を取り戻すのは非常に困難です。
特に、既存の職員が何らかの理由で職場を去り、残った職員で何とかやりくりしようとする状況で、個々の勤務条件が変わる際には、最大限の配慮が必要です。スタッフの側も、頼まれた時に「嫌です」とか「できません」と言えば良いのですが、頼まれるとノーと言えない人が圧倒的に多いです。
黙って業務を引き受けてくれていることに安心してはいけません。ネガティブなエネルギーが溜まり、いずれ爆発することになります。
説明責任を果たすことは、運営体制の問題としてすぐに改善できることです。決して難しい話ではありません。「話が違う」という言葉は、新人スタッフに絶対に言わせてはなりません。この問題を避けるために、口頭での説明だけでなく、きちんと書面に残すことも忘れないでください。特に就労条件については労働基準法にも関わる重要な事項です。
当たり前にやるべきことをきちんと行い、運営体制をしっかり見直しましょう。