161円! 円安は、これからどうなるの?
円ドルは日米金利差に連動しますが、下図に示すように、ここ最近は一方的に円安が進んでいます。(日本の金利はゼロなので、米国金利=日米金利差。代表的な10年国債を採用)
この図は昨年末の部分で2つの線が重なるように縦軸を調整してあります。2つの線が離れて行くということは、金利差で説明できない円安が進んでいるということです。特に5月2日の為替介入以降にどんどん離れて行って、6月27日の時点で約12円の乖離が発生しています。
円ドルと日米金利差の相関をプロットしてみると、いくつかの時代があることがわかります。下図参照。
青いところが、2001年~2012年の100円を中心にした時代です。緑のところが、2015年~現在までの130円を中心とした時代で、その間は、異次元緩和によって円安が進んだ時期で、本記事では「相転移期」としています。
下図の赤い矢印のところが、最も新しい6月27日の点で、緑の帯からはみ出ているのがわかります。
つまり、6月28日現在の161円は、次の相転移の始まりかもしれません。
すると、今後の円安はどうなってゆくのでしょうか。
前回の相転移は1~2年の時間をかけてゆっくりと進んだので、今回も「ゆっくりと進む」と思われます。よって、この7月に日銀は利上げをして一時円高になった時に、円を売ってドルを仕入れておくのが良いかもしれません。
今後もしばらく円安が続くと思うもう一つの理由(考察)
話は「政府の借金(国債発行)」から始まります。
しかし、日本政府は悪徳金融に手を出さすに済んでいます。(発行する国債の金利を上げなくても済んでいる)日銀が助け舟を出してくれたからです。
しかし、大半の借金を日銀が肩代わりしたので、今度は日銀が、身動きが取れなくなってしまっています。
そして日銀が、身動きが取れなくなっていることが円安の原因となり、さらにはコストプッシュインフレを引き起こしています。
さてここで、インフレが政府の財政にどのような影響を及ぼすかを考えてみましょう。
円安は、今の問題のそもそもの原因である「政府の財政」を改善する方向に働いていると考えることができます。
ここで全体をまとめて話を単純にすると、
「ゆっくりとした円安」は、日本がなんとかやっていくための手段であり、「借りたものは、いずれ返さなくてはならない」という原則にそった流れであると思われます。
「水が低い方に流れる」ように、ゆっくりとした円安が進んでいくのではないでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。