見出し画像

いつか観た映画·パク・チュンフン、アン・ソンギ主演『ラジオスター』(2006年、韓国)

韓国映画には名作が多い。私は15年来のソン・ガンホの大ファンなのだが、いまやソン・ガンホは世界的な大スターである。
ソン・ガンホ主演の映画はどれも名作が多く、もちろん大好きな作品ばかりなのだが、あまりに名作すぎて紹介するのが気がひける。

もし韓国映画で好きな作品をひとつだけあげろといわれたら、パク・チュンフン、アン・ソンギ主演の「ラジオスター」をあげるだろう。
かつて一世を風靡したミュージシャン(パク・チュンフン)は、麻薬で逮捕されたり、暴力事件に巻き込まれたりして、今ではすっかり落ちぶれていた。ふとしたきっかけから、とある田舎町のラジオ放送のDJをつとめることになるのだが、いまだにスターとしてのプライドが高い彼は、まったくやる気を起こさない。20年もの間、彼を支えてきたマネージャー(アン・ソンギ)は、再起をかけて、彼になんとかやる気を起こさせようと奔走する。やがて小さな奇跡が起こり、彼はラジオDJの面白さに目覚める…。
リスナーの数は増え、ラジオは初の公開放送を実現する。青空の下、広い高原を見渡すと多くのリスナーがいた。そのときに映画のBGMとしてあの有名な「video kill the radio star」が流れる。だがこの曲はもはや皮肉だ。なぜなら彼はラジオスターとして生き返ったのだから。
ラジオが人々の心を結びつける、という、私のラジオ願望を満たす映画であるとともに、当初はまったくやる気のなかった人々が、結束してよいものを作りあげていく、という群像劇としても後味がよい。
ふだん大統領とか英雄の役をやることの多い「国民的俳優」ことアン・ソンギが、冴えない芸能マネージャーに扮しているのも注目されるが、一方のパク・チュンフンも、こういう屈折した役を演じるととてもよいね。



いいなと思ったら応援しよう!