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おどる脚ヤプシ

綾小路さんが、誰が月額払っているのかわからないスマートフォンで、ダンス講師の「脚」を撮影している。
今日は月面歩行(ムーンウォーク)と言う妙技を習うと言う。綾小路さん的には
教わる「習う」よりも
真似る「倣う」方が性に合っているのだが
足りなければ両方兼ねればいいと思ったので
我を出さず、今の内は静観を貫いた。

愉快さんは、ダンススタジオに到着しても
さくじつの課題(宿題)に追われていた。
1億2千万人の島国で10億枚売る方法。
答えは明確だった。
この小さな島国を飛び出せばいい。
しかし、言語は?
共通言語はどこに照準を合わせるべきだろう?
無難に英語圏か?
音楽交流のある韓国か?
答えは簡単には見つからない。
でも、思考を止めたら
Michael Jacksonに圧倒されたまま
埋没した日常が流れて行く。

野口さんは、さくじつの創作ダンスを
反芻していた。圧倒的に
先導する綾小路の牽引力!
同じユニットのメンバーでありながら
憧れの存在だ。
野口さん自身、取らぬ狸の皮算用を
してしまいがちな悪癖を
何とかしたい。
あわよくばセンターで踊りたいと渇望しても
センターに立った後のことばかり
考えてしまう。
途中のプロセスを飛ばしてしまうから
いつまで経っても
取らぬ狸の皮算用の域を脱せずに
ジタバタしてしまう次第だ。

思考はバラバラでも三人とも遅刻せずに
スタジオ入り出来た。
さあ、脚の運びに注視しながら
ダンス講師の動きに習え、倣え!

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