読書は孤独な人にとって救世主
抗うつ剤を飲んでいるおかげで三ヶ月くらい前から読書を読めるまでには体調が回復している。
(本当に辛い時は活字を読むという莫大なエネルギーを使うことなど絶対にやってはいけない)
本が大嫌いだった小中高
「本を読め」「読書好き」と言われると活字嫌いな人にとってはうんざりとしてくる気持ちはすごくよくわかる。
なぜなら自分も読書なんて大嫌いだったから。幼少期も学生の頃も読書の時間が嫌いだった。
そんな読書の時間に隣で黙々と本の世界に入り込んでいる読書女子が不思議でしょうがなかった。
「なんでこんな苦痛な時間なのに楽しそうに読んでいるのだろう?」
そもそも文字を追うことが苦手で一文字一文字目で追い、心の中で文字をつぶやきながら内容を理解していると1ページ読んだら集中力は途切れてしまっていた。
それに漫画すら読み始めるのは遅く、本格的に漫画を買い出したのは中学生くらい。
だからといってこれまでに全く本を読んでこなかったわけではないけれど、読書好きな人に比べたら全くだし、これといった感動体験もなかった。
今では読書好きに
でも今は本に頼っている。
本に頼るしかなかったという方が正しいかもしれない。
うつ状態になって就職もできず、友達もいなくなった人生において本以外に頼れるものがなくなってしまった。
もちろんこれまで本嫌いだったのでテレビ、映画、Youtube、Netflix、Amazon、Hulu、Disney+、Abema、ありとあらゆるコンテンツを見て、好きなアーティストのライブにも片っ端から参加していた。
けれど、もうそれらでは感動できなくなってしまった。
今の人生にとっての答えとなるもの、助けとなるものが見つけられなかった。
だからこそ本に頼るしかなかった。
「だってみんなすごい人は本を読むんでしょ?」
どうやったら本を読めるようになるか?
でもいきなり本を読むのは無理だと思ったのでオーディオブックに頼ることにした。
Audibleで聴き始め、徐々に再生速度を上げてまず文章を映像にすることを鍛えた。
それからビジョントレーニングを行い、速読の本を買い毎日練習した。
速読の本に書いてあったことで一番衝撃的だったのが一語一句心の中で声に出さなくてもいいということ。
そこまで集中せずに流すような感覚で映像化していけばいいということを知って読みやすくなった。
確かに言われてみれば映像化されている映画であっても常にワンシーンごとに集中して見ていないわけで、流し見していて重要ばシーンの時だけ意識しいる。
あと本格的に読む上で、最初に読む本も日本人作家さんで、しかも、最近の作家さんの本にすることにした。
海外作家さんだと翻訳の日本語は癖が強く、登場人物も外国人の名前ばかりで理解しずらいし、日本人でも昔の作家さんだと日本語が難しいと感じたからだ。
作家 川上未映子
そこで選んだ作家が川上未映子さん。
Audibleで「春もこわいもの」という作品を聴いてとても心に響いたから。
なんていうか、どうしようもなくなった人間の弱い部分の表現の仕方がすごく映像化しやすく「そうだよな〜」と共感できる部分がたくさんあった。
本屋さんに行って川上未映子さんの芥川受賞作品である「乳と卵」を買って読んだ。
「うん、やっぱりすごい」って感じ。
とにかく読みやすいし、いや、活字を読んでいる感じがしないままに読み終わっていく感じ。
もちろん訓練した部分もあるけれど、勝手にページがめくれていって体に染み渡っていく感じがした。
さらに「乳と卵」の続きの長編小説である「夏物語」を読んだ。
これは本当にすごかった。
最初、「こんな分厚い本読めるかな」と思ったけれど、本当に一気に近いくらいの感じで読み終えることができた。
「これが、感動する読書体験か〜」と思った。
読書好きという人種がいるのが初めて理解できた。
だってもうすごいんだから、
登場人物の人生が折り重なって自分の境遇もそこに折り畳まれて描かれている感じ。
この感動を表現する語彙力がないのが悔しいけれど、とにかく魔法がかかっている。
どんなコンテンツよりも感動できるし助けられるし、救われる。
誰にも相談できないけれど共感したいことをすべて描いてくれている。
まとめ
あんなにも嫌いだった本が孤独な今の俺にとっては救世主だ。
それに、多分、大人になってから本の魅力に気づけためずらしいタイプだと思う。
まあ、ちょっと遅かったとはいえ人生が豊になったのは間違いない。
だから本が嫌いだった人にこそ、大人になった今、本を読むことにチャレンジして欲しい。
きっと読む工夫さえすれば誰にだって本の世界に入り込めるし、圧倒的な読書体験もできると思う。
まあ難しいのもわかるけれど、、でも本の世界でしか出会えない人がいるから、同じ境遇を持った人が必ずいるから。
”本の世界に操られて俺はこれまで生きてきたのか?”
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