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誰とも話していない

気づけば誰とも話していない。

話すことは特にないし、今はそんな話せるような精神状態ではない。

話すとしたら精神科の先生くらいか。

でも最近はその精神科ですらすっぽかしてからいけていない。

改めて予約しなければいけないのだけれどまだ飲み忘れた分の薬が残っているからこれが飲み終わるまで予約はいいかと思っている。

そんな毎日を送っているとスーパーのレジで「お支払いはどうなさいますか?」と聞かれ「Suicaで」と答えるのだけれどこの「Suicaで」という一言が小さすぎるらしく通じない。

必ずと言っていいほどもう一度「お支払いは
?」と聞かれる。

俺にとっては大きすぎるのではと思うくらいの声で「Suicaで!」というとやっと通じる。

人と話さないとこれほどまでにコミュニケーションは劣るものなのかと感じる。

これくらいのコミュニケーションで通じないなら海外で買い物する時と変わらないのではないか?

社会と関わりを絶ってしまった今、言語は必要なくなってしまった。次はなんの能力が衰えるのだろう?

今がどん底と思いたいけれど、まだ、そこがありそうな気がするのが恐ろしい。

「だったらそうならないように努力しろ」と言われるけれど、そんなことはもうやっている。

落ちていかないように薬を飲んで生活週間を正して、心と体に良いと言われていることはコツコツと実践して、それでやっと今の時間と空間に二本足でかろうじて踏み止まっている。

地に足をつけて立つことがこれほど難しいことだとは子供の頃は思わなかった。大人になるにつれて上半身だけである歩いているように感じるほど不安になるときが来るなんて思いもしなかった。

大人はみんな言葉では言い表せないような不安を抱えているのだろうか?



”7回転んだら8回はとりあえず頑張って起き上がらないとね”

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