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胸いっぱいのアイと情熱をアナタ達へ



サカガミpresents。

『最終決戦』のお礼に自分の店にお世話になった方々全員を呼び、盛大にお酒と料理を振舞った。

スズタニ運送社員の皆様、小鳥遊先生、スズタニ、カヲル、悟、ルナ、冴子、サカガミ。

「すげー店だなぁ……」
スズタニ運送社員のひとりが呟く。
「こんなところで飲んだことないぜ?」
「今日はサカガミさんの奢りだからパーッといっちゃいましょ」
サカガミのところからスズタニ運送へ入っていった男が言う。
「おう!その通りだ。あるもの全て好きにやってくれ!」

冴子がシェフ顔負けで作った料理が山ほど並び、銘酒の数々、おつまみが所狭しと並んでいた。


『カズヤ、お疲れ様』

「冴子、いろいろ悪かったな。疲れたろ?」
『飲んじゃったら忘れちゃうわよ、そんな疲れなんて。それにーー』
「ん?」
『みんな、楽しそうだから……』

「あぁ、そうだな」


「あー!!!それっ!あたしが食べようと思ってたのにぃぃぃ!!」
「相変わらずうるせぇな、ほれ」
「お?今日は素直じゃないか?悟くん……どーした?調子悪いのか?」
「ルナがやかましいから、黙らせるには餌付けしかないだろ」
「んだとぉ!!」

「ほんと、やかましい……」


「って、これ何だろ?」

不思議な形のチョコレートを手に首を傾げているルナ。
呆れ顔の悟。
何だかんだと一緒に居るふたりである。



「せんせ、飲んでる?」

小鳥遊先生の元へスズタニが来た。
「おう、いい酒揃ってるからな。ボトル開けてやろうと思ってグイグイいってるぞ」
小鳥遊は珍しく高笑いで上機嫌。
それもそのハズ、並んでる酒だけで1000万はかかっている。

「小鳥遊先生っ、ほんとに
お世話なりました」

カヲルが寄ってくる。
「まったく、誰に似たんだか無鉄砲に育ちやがって」
と、小鳥遊先生はスズタニを見る。


「そりゃあ……あたしの妹だもの」

スズタニはカヲルを見て、微笑んで言った。



『悟っ!飲んでる?』

「冴子、サカガミはどうしたんだ?」
少し酔いながら冴子は悟のところへ。
『カズヤはスズタニ運送の方々にもみくしゃにされてるわ』
「あー……あの辺か」
男達がガチャガチャと騒ぎ立てて飲んでいる場所があるが、妙な叫び声が聞こえて来る。
『あー見えて、楽しんでるから』
「そうか?酒浴びてるぞ?」
『いいのよ、あれで』
「あ、ところで冴子。頼みがある」
『あら?珍しい、悟から頼み事なんて』
「今度料理するところ見せてくれ」
『あ、『模倣』するつもりなんでしょ?』
「察しが早いな」
『ルナに作ってあげるの?❤』
「自分が食うんだよ」

ーー素直じゃないんだから❤

『ふーん……』
「んだよ、その顔は」
『なんでもないわよー』



「ルナちゃん!」

「お、カヲルちゃーん」

「ルナちゃん、あの時……ありがとう」
「ん?なんだっけ?」
「手出ししないでくれて」
「あ……ん。だってさ、カヲルちゃんの気持ちがさ……ヴィジョンで飛んできて……よくわかったから」
「ありがと……ルナちゃん」
「あー、そうだ!そろそろさ……ルナって呼んでよ。あたしもカヲルって呼ぶから」
「えっ!?あ、う、うん!そうだね……じゃあ……」


「ルナ。本当にありがとう」


「なんか、てれくさっ!
やめてよーカヲル!」

友達の心からの声にくすぐったくなったルナだった。


サカガミが胴上げされ始めた頃。


「ねね、悟」

「なんだ?」
「なんか、いいね。こういうのって」
「ああ、そうだな」
「こんな日が続いたらいいなー」
「そうだな」
「あたしさ……ずっとこのまま……みんなと居たいなぁ」
「居たらいいさ」
「ま、そだよね、そりゃ居たらいいよね」
何処からとも無く飛んで来たヴィジョンの欠片に出てしまった言葉。
「大丈夫だ」
「えっ?」
「オレたちはこの国のHealになってアイツらを護るんだ」
ーーオレたちって言った?オレがじゃなくて?あたしと一緒にってこと?
「う、うん。わかった」
「だからよ……また背中預けるぜ」

「ん……わかった」


相当飲まされたサカガミがやっと連中から解放されて、本日の締めの挨拶に促されている。


「あー、みんな……本当にありがとう。オレらを助けてくれて。オマエらが居てくれなかったら……きっと、オレも冴子もきっと生きてはいないだろう」


冴子が横で微笑んでいる。

「本当に感謝している。オレらがやらかしたことをフィクサー側の人間は許さないだろう……きっとこの先襲いかかってくる輩も居るはずだ」

サカガミの話を笑いながら聞いているルナを見る悟。

ーーそんな時はオレがオマエを護ってやる。

そう考えている自分自身に悟は少し驚き、笑った。

「そんな時のために!スズタニさん!いや、スズタニ社長!」

サカガミの呼びかけに吃驚するスズタニ。

「オレたちと組んでくれ!!正式に!!同盟とか……そんなんじゃなくて……仲間として……オレたちと組んで欲しい」

沈黙。一同、スズタニの言葉を待った。


「はいよ」


「「「おおおおお!!!!」」」
「よく言った!社長!!!」
「おっしゃぁ!」

サカガミの店が男たちの声で揺れた。


『合同会社 スズタニコーポレーション』が出来上がった瞬間だった。



「また、楽しくなりそうだね!悟!」


𝓽𝓸 𝓫𝓮 𝓬𝓸𝓷𝓽𝓲𝓷𝓾𝓮𝓭……『彩』




『キミにさよならを』の世界線。
描いてしまってあまりに寂しくなったもので、別方向の世界線を描いて見ようとしたらこうなりました(笑)

いやはや、いい加減、終われよ!と思う方(笑)
わたしが満足するまでやらせてください(笑)

子離れ出来ないわたしでした。
┏○ペコッ

サポートなんてしていただいた日には 小躍り𝑫𝒂𝒏𝒄𝒊𝒏𝒈です。