見出し画像

『嫌われる勇気』人生史上最も衝撃的な一冊

先週の週末、近所の書店に立ち寄った時のこと、大ベストセラーになった『嫌われる勇気』が平積みされており、一つのコーナーが出来ていました。

そしてこんなポップまで。

調べてみたところ、今年5月に300万部を突破したということ。

刊行されたのが2013年12月ということで、かれこれ10年以上売れ続けていることになりますね。読まれた方も多いことと思います。

私はこれを読んだのは、2022年の6月。

刊行されてからだいぶ経過してから読んだのですが、なぜ、読んだ時期まで覚えているのか。

それは、私にとって特別な時期であり、そしてこの本が私の人生観に大きく影響を与えたからです。

読んだ直後に一つ大きな後悔をしたのを覚えています。
「何でもっと早くこの本を読んでおかなかったのだろう」と。

今回、改めて『嫌われる勇気』を振り返ろうと思います。

私が購入した時は252万部だったみたいですね

この本を読んだきっかけ

本を読んだ2022年6月。それは私が無職の時でした。

その1か月前、転職して入社した会社で自分の価値観にどうしても耐えられない出来事があり、入社時には想像もしなかった、わずか1ヶ月足らずで退職の道を選びました。

年齢も年齢ということもあり、しかもこんな超短期での退職をして、再就職は厳しいことは百も承知ではあったものの、いざ退職してこれからどうしようか漠然とした不安に襲われている時期でもありました。

その時期は無職という事もあり、時間が有り余っていたため、多くの本を読みました。

なぜ、この本を読もうと思ったのか。

私はどうしても人の目を気にしがちな性格で、空気を読みすぎてしまったり、見栄を張りすぎてしまったり。

そんな自分の性格に嫌気がさしていることもあって、このタイトルを見た時には、”自己中心的”に”強引”にでも相手の嫌な事を言って、人に嫌われる事が大切なのかなと思いながら読み始めてみました。

しかし読み終わった時には、当初考えていた「嫌われる」とは全く違う視点に衝撃を受けました。

この本を読んで学んだことを改めてnoteに残しておくことにします。

この本をオススメする人

この本をオススメする人は次のような人です。

1.人間関係や劣等感で悩んでいる人
2.人は必ず幸せになれると信じていない人
3.自分を変えたい人
4.新しいチャレンジをしたいと思っている人

学んだ3つこと

1.言い訳をすると幸せになれないということ

本書を読まないと言葉の意味が難しいかもしれませんが、人の行動は「原因論」ではなく「目的論」によることが書かれています。一言で言うと行動は過去の原因は全く関係なく、本来の目的があるから行動するということ。

例えば、私が当時、直近わずか1ヶ月で退職した会社。私はトップによる不正処理の強要やハラスメント体質に見切りをつけ退職したと思っていたんですが、アドラー理論でいえばそれは関係なく、私自身に本来の目的(例えば他にやりたい事があるから退職した)があるから退職したということになります。

確かに退職する人は多い会社でしたが、実際には10年20年働いている人がゼロではないように全員短期で離職するわけではありません。

原因論が正しいのであれば、常に私と同じ行動=全員短期で離職するはずとなるわけです。

この考え方は本当にハッとさせられました。退職してからこの本を読むまでは、「アイツのせいで退職させられた」とか「もう少しあの会社の事を調べておけば」とか、他人に責任を押し付けたり自分の非を必要以上に責めたりストレスが溜まるばかりでした。

でも重要なのは過去ではなく未来であり、人は本来の目的があって行動しているとのこと。

言い換えると言い訳というのは過去の原因を指しているわけで、言い訳をしている限り、未来を見ていないことにも繋がります。

だったら今回の私の短期離職も、きっと他にすぐにやりたいことがあって、あのまま会社を続けていても幸せになれないのだから、例え1ヶ月で辞めたとしてもそれは必然だったんだと自分自身に納得することができました。

こじつけかもしれませんが(笑)。

でもこの前向きなマインドになれたのは本当に大きかったです。現実に今こうやって新しい世界が開けていますので。

本書では他人のミスにより猛烈に怒っている人の例があげられていました。これもミスが起こったから怒っているわけではなく、怒っている理由というのは・・・続きは本書で確認してみてください。

2.他人の課題に踏み込んではいけないということ

本書で紹介されていた例を一つ。勉強しない子供がいてあなたが親だったらどうするかという課題。

親であればどうやって子供のために勉強をさせるか手を尽くす場合が多いと思います。毎日勉強しろと言ったり、塾に通わせたり、家庭教師をつけたり。でもこれらはすべてNGな行動です。

なぜなら他人の課題に踏み込むことは、あらゆる対人関係のトラブルにつながるからです。

たとえ親子関係でもそう。前の段落で「原因論」と「目的論」の話をしましたが、このケースの親の場合、子供が勉強しない(原因)から勉強をさせようとしているのではなく、親自身の世間体や見栄、あるいは子供に対しての支配欲(目的)のために勉強させようとしているだけ・・・というのが本書の言いたいことです。

考え方が斬新すぎます!

私自身、部下を持っていた時にこの考え方を知っていれば、もう少し部下との対話の内容が違っていたかもしれません。

決して、相手に対して放任主義を推奨しているわけではありません。相手を見守ることや、相手の意思で相談をもちかけられた場合は、精一杯援助する用意をしておくことは重要であると本書には書かれています。

誰の課題かを見分ける方法はシンプル。「その選択によってもたらされる結末を最終的に引き受けるのは誰か?」を考えろということ。

先ほどの例でいえば勉強しないことによって最終的に困るのは、親ではなく子供だということです。

本書で紹介されていることわざを一つお伝えします。

「馬を水辺に連れていくことはできるが、水を呑ませることはできない」

詳しくは本書をご覧ください。

3.承認欲求を捨てろということ

誰だって人に認めてもらいたいです。もちろん私もです。このnoteだって誰からも認めてもらえないよりは、本音を言えば一人でも多くの方に読んで頂きたいと思って書いています。

ついにはYouTubeも始めました。チャンネル登録者の増減にどうしても一喜一憂したくなります。

しかしこの承認欲求というものを本書では完全否定です(苦笑)

理屈はこうです。

もちろん嫌われたいと望む人などいない。でも誰からも嫌われないためには、10人他者がいたらその10人全員に忠誠を誓う。そうすれば確かに誰からも嫌われずに済みます。

でもそれは出来ないことまで出来ると言ったり、取れない責任まで引き受けたりして嘘をつき続ける人生になってしまう。つまり、「自分に嘘をつき、周囲の人々に対しても嘘をつき続ける生き方」ということです。

こうなってしまうと、どう考えても幸せとは言えない不幸な状況です。

本書では「自由とは、他者から嫌われることである」と書かれています。

他者の評価を気にかけず、他者から嫌われることを怖れず、承認されないかもしれないというコストを支払わないかぎり、自分の生き方を貫くことはできない、つまり、自由になれない。と解説されています。

いよいよ「嫌われる勇気」というタイトルの意味に迫ってきましたね。

おわりに

これまで書いた内容以外にも多くの面白い内容が書かれています。

目次から抽出すると

  • 自分には価値があると思えるために

  • 自己肯定ではなく自己受容

  • 普通であることの勇気

  • 「いま、ここ」に強烈なスポットライトを当てよ

  • 無意味な人生に「意味」を与えよ

など面白くてハッとさせられる多くの内容が書かれています。

私は無職時代にこれからの人生に対して色々悩んでいた時に読んだせいもあって、これを読んで自分の考えに新たな視点が加わり、本当に救われました。自分の幸せをつかむために人の目を気にすることは何もないんだなと

これから楽をして生きていくつもりもないし、苦労はたくさんあると思いますが、少なくとも自分のために向けられた課題に対して全力に取り組み、自分の働き方そして生き方を通して幸せというものに近づきたいと思っています。

先週末の書店で見かけたポップをきっかけに、衝撃を受けた本書を改めて振り返ってみました。

この本を最初に読んでから2年以上経ちました。

言い訳したくなる時はまだまだありますし、承認欲求も中々捨てきれません。

しかし、自分の幸せのためにどう生きるかをこの本を読んで以降、圧倒的に考えるようになり、サラリーマンを辞めた新しい生き方で、今は充実した日々を送っています。

この本の存在が気になっていたものの、まだ本書を読んでいない方。今から読んでも遅いことはありません。私もそうでした。読んでいない方はぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

そして一度読んだことがある方も、改めてもう一度読んでみると新たな発見があるのではないでしょうか。

定期的に通っている、読書がてらの喫茶店。
次回は、久しぶりにこの本を持ってコーヒーを飲みに行ってきます。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?