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買ってよかったもの

買って良かったなぁ、と思えたら少々価格が高くても成功!
大事に長く使うことになるし、毎日が楽しい。


1位 電動ベッドと電動チェア


私が退職すると母を呼んで一緒に過ごすことが増えた。私や妹がせっせと会いに行っていたのだが、日中に母を一人にすることへの不安が増えて行ったのだ。
私の家では2階の客間を使ってもらった。窓を開ければ山が見え、鳥の声が聞こえる。部屋を一歩出れば海が見える。トイレも洗面所も目の前だ。母はたいへん気に入ってゆっくりしてくれた。
ところがしばらくすると、2階に上るのが見るからにきつそうになった。手すりに滑り止めを巻き、上る時は私が後ろに、下る時は私が前に立つ。万が一の時に支えるためだ。
しかしそれもつかの間、もう2階は無理かなというレベルになるのにそう時間はかからなかった。
夫と相談し、1階の和室を母の部屋にしようと決めた。トイレも近い。それならベッドを置こう。どうせなら電動ベッドが良い。
ということで家具屋さんに買いに行くと気に入ったものがすぐに見つかった。レジに向っていると、電動チェアが目に入った。眺めていると店員さんが「今、一番の売れ筋」という。背もたれと脚部がそれぞれ気に入った角度にできるし、皮の手触りも気持ちが良い。予定外だが、買うことにした。

配達と設置ができてから母に来てもらった。
「お母さん、これからはここがお母さんの部屋よ」。
母は驚き、泣いたのだ。「ここまでしてもらってお母さんはどうしたら良いと?」と涙を拭く。そばに居た妹が「お母さんは長生きしてくれたら良いんじゃない?」と言ってくれる。「ありがとう!お母さんはしあわせ♡」と何度も繰り返した。

さて、それからほんの数か月で本格的に私の家で介護生活が始まった。毎日のように、電動チェアでリラックスしながらテレビを見たり、風呂上りにビールを飲んだ。ウトウトし始めたらベッドまで連れて行く。「ありがとう、ありがとう」と言いながらベッドまでの数歩を歩いた。

本当に、買って良かった!!

2位 電気圧力鍋


これでよく作るのは「肉じゃが」。材料と調味料を入れて「圧力」にし、ボタンを押したら待つだけ。出来あがったら圧力を抜いて器に盛れば良い。圧力がかかって「シュッシュ」言い出したら何分、とかタイマーをかける必要もない。楽して美味しい料理ができる。圧力かけなくても普通の鍋としても使えるので便利さが広がる。

これで作った肉じゃがやいろんな料理を母は「美味しい!」と食べてくれた。調味料が圧力でグッと沁み込んでいる。肉はほろほろで、歯ごたえも優しい。

買ってよかった♡

3位 車


人生最後の車を買ったのは4年前になる。それまでの愛車は使用年数や走行距離がスゴイことになって、車検もやっとこさで通るレベルになっていた。次の車検は無理かも、ということで退職の年に車を買った。母を今まで以上に乗せることを考えて、助手席にステップと乗り込む時のグリップをつけた。そして助手席は半回転できるシートに。後部座席の後ろは車椅子を乗せる仕様に。ナンバーは母の誕生日の数字にした。
ステップとグリップを母はとても喜んだ。チョットしたことだけど、乗りやすい。半回転機能は必要なかった。車椅子も使わなかった。結果として使わずにすむほど母が元気だったのだから、嬉しいことだ。必要なのに機能がないよりうんと良い。

いろんな所にドライブに行った。春は桜や夕陽を見に。海を見るにもどこで見るかで楽しみが違う。ツツジが咲けばツツジを見に。季節ごとの花を見たり美味しいものを食べに。

本当に買って良かった!

4位 電動のこぎり


同じバッテリーで、のこぎりだけでなく何種類も付け替えて使用できるもの。そのなかで私が愛用するのは電動のこぎりだ。庭や畑仕事に便利。これまでは普通ののこぎりでギコギコと時間や労力をかけて作業していた。電動だとこんなにも楽か!と驚く。作業が速いし楽だから楽しく、作業へのハードルが低くなる。
今日は花畑の脇にニョキニョキ出てきた竹をザクザク切ってスッキリした。明日も続きをしよう。広がりすぎたサザンカも思い切り切った。花びらがお隣さんの敷地にバラバラと落ちるから。畑の花柴も切らねば。もっと空気と光が通るようにしないとスス病になってしまう。
というわけで仕事が苦にならないどころか、楽しい。

畑で作業していると、母は窓から眺めていたものだ。「よく頑張るねぇ」と声をかけてくれたなぁ。今でも作業しているとつい窓を見る。なんだか、ニコニコした母が見ている気がする。

5位 テント

コロナが広がった時、テントを買った。どうせどこも行けないのだから、畑でキャンプしようと思った。
これを母がすごく喜んだのだ。天気の良い日はテントでランチ。新聞を読みながら眠ってしまうことも。酸素ボンベをそばに置いて安心して過ごした。

まだ酸素ボンベが必要でなかったとき、二人で一晩過ごしたこともある。秋だった。たくさんの虫の鳴き声を「なつかしい!!」と母は喜んだ。薬がないと眠れない、といつも言うのにその日はぐっすりと、トイレにも行かず眠った。

朝、いつまでも寝ているから夫が心配して見に来たくらいだ。

一緒に楽しめて良かった♡


読んでくださりありがとうございます♡



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