
原作を買うために本屋を巡る/メタモルフォーゼの縁側
サブスクで、『メタモルフォーゼの縁側』を、見ました。
BL漫画を通して、おばあさんの雪さんと女子高校生のうららが出会い友好を深めていく、恋や人間関係の悩みだったり、自分の人生だったり色んな悩みや人生の機微が詰まった話です。
かなり刺さって、自分が好きなものが恥ずかしくて好きを共有したいのに出来ないときがあるもどかしさや、そういうのが出来る人が羨ましいって妬ましく思う気持ち、思わず、あまり好きじゃないって言っちゃう自分に対しての嫌悪感、思春期のいろんな悩みが呼び起こされたり。
それなりに創作をしたり、新しいことに踏み出したりしてきたので、最初の自分が生み出したものがうまくはないんだけど、作っている途中では、こんな下手なのなんて思うんだけど、完成した、一番最初の子はやっぱりなんか可愛いと言うか誇らしい感じがして、辛かったけど、なんか楽しかったし、この子も結構いいんじゃない?って思うあの感じを思い出しました。
すっごい良かった。
やっぱり、やらないとわからないものもあるし、最初の一歩は何であれ読む側から描く側になったり、見る側から出る側になったり、出る側から作る側になったり、同じものでも全く違う世界があったりして、好きをきっかけにそういうちょっと違ったことに勇気を持って踏み出せるのって、人生を自分のものにするためにも結構大事なのかなって思いました。
良すぎて見てる途中でノートを開いてペンを持って感想を書き始めたくらい。
なんか、創作をする人の、自分の作ったものが誰かの支えになったりする希望とか、でもちょっとどこか恥ずかしいって感じちゃう気持ちとか、作っているときの辛さとか全部があるなって感じました。
そういうわけで、この映画を家で見たあと、原作漫画がめちゃくちゃ読みたくなりました。
2年前くらいに人気になった漫画だった気がするから、ブックオフにあるかな、と思って散歩するくらいのつもりで、近所のブックオフに行きます。
最近ちょっと行ってない間に棚割りが変わっていて、ワイドコミックㇲを探すのに苦労したんですが、2巻と3巻は見つけました。
でもどこにも1巻はありませんでした。
「どうしても今日のうちに手に入れたい」
と思った僕は、普段は行かないスーパーに小さな本屋さんがあることを思い出します。
「新刊書店ならあるかも!」
幸いその書店はブックオフからそんなに遠くありません。少しあったかくなってツルッツルな札幌の道を転けそうになりながら、スーパーの中の小さな本屋さんに入りました。
レジの近くにある漫画のコーナーで探してみました。
やっぱりない。
時間は夕方でぼちぼち帰っていろんな家事やら作業をしたい気持ちもあるし、あまり遅くなると睡眠のためのルーティンを守れないななんて考えてしまいます。
「いやでも、この本を買うのは絶対熱意がある今日買うのが良い」
そう決めて僕は市電に乗って大通りに向かいました。
途中転んでしまいましたが、何故か痛みは感じませんでした。
市電の駅の近くにある文教堂に入ってみます。
「このお店は漫画を結構しっかりおいているからあるでしょう」とか思ってました。
しかし、ここには2巻からしかおいてませんでした。
もしかしてこの本って1巻なんかあっておいてなかったりするのか?とか思い始めましたが、諦めたくはありません。
僕は、「札駅の紀伊国屋ならでかいからあるだろう」とそそくさと文教堂を出て地下歩行空間を速歩きで札幌駅方向に向かいました。
多少息を切らして紀伊国屋に入り、漫画のコーナを探しますが見つかりません。検索機に向い、使い慣れないちょっと反応の悪いモニターに苦戦しながら検索した結果は、「在庫✕」でした。
「うん、とりあえず三省堂、あるかわからないけどあそこはワイドコミックㇲそこそこの量おいてあった気がする。」
と紀伊国屋を出て大丸に入り上へのエスカレータに乗り乱れた呼吸を整えました。
落ち着いたらなんかすごい汗が出てちょっと恥ずかしいなとか思いながら、おしゃれな時計や服のお店の前をササッと通り過ぎて三省堂の一番奥の漫画コーナーを目指します。
ワイドコミックスのコーナーには、『メタモルフォーゼの縁側』はありませんでした。
近くに検索機があったので何度やっても慣れない五十音順の入力に苦労しながら検索しました。結果は「在庫ナシ」でした。
「どこならあるかな、よく考えたら大通りにでっかいブックオフあるじゃんそこしかない」
三省堂のエスカレータを降り、札幌駅の地下に向かい、地下歩行空間を、速歩きしながら通り抜け大通りへ、地下鉄の東豊線大通駅側の出口の長い階段をダッシュで駆け上がります。
全道のオタクが集うビルとかをなかったらここだなとか思いながら通り過ぎブックオフに入ってエスカレーターを登り、普段はめったに行かない3階の漫画コーナへ向かいます。
普段は行かないのでワイドコミックスのコーナを見つけるのに苦労しましたが何とか見つけ、品出ししている定員さんの邪魔になりながら探します。
全然見つからない、でも諦めたくなくて棚の端から端まで何回も探したら。
下から2段目の端っこに『メタモルフォーゼの縁側①』がありました。
あったー!
やったー!
見つけてから気づきましたが、僕はその時汗だくでちょっとレジにいくのが恥ずかしい状態だったのでちょっと落ち着くために店内で休憩しました。
無事に会計を済ませて、外に出ると、もう家を出てから2時間くらい経過してました。
そこからは落ち着いて地下鉄に乗って家に向かいました。
家に帰ってホッとしたら、なんか膝が痛い、見てみたら赤い感じで内出血みたいになってました。
ここまで必死に特定の物を求めて色んなところを巡るのは、初めてな気がします。
映画の中で、うららも雪さんも漫画に没頭して、自分が作る側に回って見たり、とっても熱を入れて楽しめるものがある素晴らしさみたいなものを感じました。
うららが幼馴染に熱中できるものがあることが羨ましいって言われるシーンがあったり、幼馴染の彼女のも留学したいからと頑張って勉強をしているシーンもありました。
見た目に自信があるわけじゃない、BL漫画が好きなことを堂々と言えるわけじゃない、友達もそんなに多いわけじゃないうららと、見た目も良くて、友達もたくさんいて、BL漫画が好きって素直に友達と話せている幼馴染の彼女は、対照的でしたが、同じくなにかに夢中で頑張っているという点で一緒でした。
僕はこの映画は、熱意を持って何かを応援したり、作ったり、夢中になることを賛歌する映画だと思います。
それと同じく?自分は今日、この漫画を一番楽しめるであろう今日手に入れて楽しんでやるんだ!そのために絶対1巻を探すんだ!
って頑張ったわけです。
汗だくで家に帰って着替えたんですが、着ていたロンTは汗でめちゃくちゃ重たくなってました。
なんか、わからんけど、チョー大変だった、けどこれは楽しかった!
お風呂に入ってご飯を食べて漫画も読んだんですが、頑張ってよかった。
映画では見えなかった発言のバックにある、経験だったりとかも見えたり、すごく楽しかった。
読み終わって、これは、確実に読書体験記で書こうって思いました。
好きに対する複雑な感情や、創作に対する希望、夢中になれる事がある素晴らしさを描いた漫画を買うために、一生懸命になった僕、良い読書体験でした。
僕の文章も、すごい文章ではないだろうしまあちょっと恥ずかしかったりするけど、それでも書きたいと思う熱意はあるなと気づいたりも…
今回の読書体験記は、物語の中の人達と同じように?一生懸命に好きなもののために、頑張った読書体験でした。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
次の日、体重がちょっと減ってて嬉しかったり…
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