この沼の先であなたが待ってる
どれだけ知名度のあるものでも
同じもののファンはなかなか身近にいない。
音楽も本もたいてい1人で楽しんできた。
不満はないが、もっと誰かと話せたらいいなと思うことはある。
先日、某人気バレーボール漫画を読んだ。
私はスポーツ漫画をほとんど読まないので、
これは珍しいことである。
仲の良い友人にこの漫画が大好きな子がいて、その子の口から
「面白いよ!おすすめだよ!」
と聞くたびに
「面白いんだろうねぇ」
と、気の無い返事をすることをもう何年も繰り返してきた。
それでなぜ今になって読もうと思ったかというと
去年、たまたま友人と私が同じ作品にハマった事が理由にある。
どこが良かったか、何が好きか、
高い熱量で好きな作品のことを語り合える時間がめっちゃくちゃに楽しかったのだ。
初めて聖地巡礼をして、そりゃもう盛り上がった思い出がまだずっときらきらしている。
1人でも充分だけど、
また、同じ作品を好きになれたら
また、楽しいんだろうな
そう思った。
それに加え、
今年、バレーボール漫画のアニメ劇場版があったことで友人の作品への熱がまた上がっていたこと。
私に暇な時間がたくさんあったこと。
いくつかのことが合わさって漫画を読むきっかけとなった。
なるべく知った上で話したくて、
配信されているアニメも全話見た。
他のやりたいことを後回しにしてでも時間を割いていたので、我ながら(そんな必死にならんでも…)と思ったが、途中から日々の楽しみになっていた。
そうして少し前、友人と会って
バレーボール漫画の話でとても盛り上がった。
ずっと興味のなさそうだった私がハマったことを彼女はとても喜んでくれた。
何かを好きになろうとすること
そうそうやらないと思う。
かなりのエネルギーと時間がいる。
でも、肌に合わないものじゃなくてよかった。
また友人と盛り上がれてしあわせだった。
すべてを人と共有したいなんて思わないし
たとえ同じものを好きになっても思いの形はそれぞれだけど、
同じことで笑えるのは
やっぱり嬉しいし、楽しいや。
語り合ってたら、
いつの間にかクッキーを10枚も食べていた。
私たちの熱量はきっとクッキーのカロリーを相殺してくれていると信じる。
幕