たねだ・みえ

日々、おもったこと、感じたことを うたうようにつづってます。 なんでもない事の素敵さ。…

たねだ・みえ

日々、おもったこと、感じたことを うたうようにつづってます。 なんでもない事の素敵さ。 使用した絵はInstagramにも載せています。

記事一覧

KOMOREBI

映画「PERFECT DAYS」を3回観た。 役所広司さん演じる主人公の男性は 台詞があまり多くない 言葉少なにただ生活をおくるその姿は 不思議とずっと見ていられる 惹かれるも…

13

秋、しみこみ中

助手席に座ったら秋を感じた。 夏のこもった熱気が無い。 すぐにでもエンジンをかけて、エアコンをごうごうと効かせなくても平気だった。 玄関を開けて感じる涼しい風よ…

13

初めての図書館で

初めて入る図書館とは なぜこんなに心が踊るのか 建物の重厚感と解放感 古い本 新しい本 本屋ではなかなか見かけない、専門書 そのどれにも心くすぐられる どの図書館も…

13

花より団子よりお品書き

先日、古民家カフェへ行った。 古い民家を使った店内には本棚や蓄音機が置かれ、趣のある素敵な空間が作られていた。 私と友人が通された席は縁側のロッキングチェアだっ…

11

遅い秋の思い入ること

少し前まで悪口をよく聞く環境にいた 不満や愚痴ではなく、相手を馬鹿にしている言葉を並べたものだ 誰かを見下したその会話が大嫌いで、 離れることができてよかったこの…

12

歌を読まない

私は邦楽以外をあまり聴かない 外国語がわからないから 流行りの洋楽を「ららら…」と口ずさむことはあるけれど、好きだと言えない 何を言っているのかわからないから 英…

たねだ・みえ
2週間前
11

広間の上手から

小さな朗読劇を観た 舞台も客席も無い 小さな劇 観客と役者の距離は3、4mほどで こんなに近くで演技をする役者さんを見るのは初めてだった まず、舞台というもの自体あ…

たねだ・みえ
3週間前
10

のれんで骨折

久しぶりに会えた友人と3時間以上話して 帰り、体がとても重かった なんなら翌日も重かった 近況報告し合って そこそこ笑って とりとめのない話をして 美味しいものを食…

たねだ・みえ
1か月前
16

フルーツピック

木製のフルーツピックがあった 星がついていた ぬいぐるみ用の魔法の杖のようなそれを手に取ってみる フルーツピックってかわいい フルーツのあざやかさに負けないくらい…

たねだ・みえ
1か月前
7

街路樹の素

今日走った道はきらいじゃなかった 初めて通る道だったけど、不思議と落ち着いていた 背の高い街路樹が多い道だった 背の低い建物が多い道だった 自分は都会で暮らすほ…

たねだ・みえ
1か月前
3

シナモンをたっぷりと

はじめてキャロットケーキを食べた これは、 この名前じゃなければ、ニンジンが入っているなんてわからないな オレンジ色のつぶつぶが見えて ニンジンだ って思った 知ら…

たねだ・みえ
1か月前
8

水色アイシャドウ

水色のアイシャドウ 持ってますか? 映画を観た ドーナツをほおばりながら ファッション誌を読むネイリストが可愛かった まぶたが水色だった とても似合っていた 私は…

たねだ・みえ
1か月前
2

手首のメモリー

初めて使うケトルでコーヒーを淹れようとしたら、お湯がどばっと出てしまった。 慣れてくると水が細い線を描いてゆっくりとぽとぽと注ぐことができるようになった。 料理…

たねだ・みえ
1か月前
2

パフェをインストールする空き容量がない

パフェのこと知った気でいる。 見た目が華やかで、甘くて甘すぎなくて美味しくて、季節ごとに旬のフルーツが使われている… イメージやざっくりとした知識はあるけど 今ま…

たねだ・みえ
1か月前
2

「ぱやららん とふ」

意味のない言葉を浮かぶまま声にすることがある。 「なほなほしてた」 「つるするすんや」とか。 何言ってるか自分でもわからんが。 この、「とくに考えもせずに出した…

たねだ・みえ
1か月前

「わたしのワンピース」は私の…

幼い頃お気に入りだった絵本といえば「わたしのワンピース」だ。 小学校にあがってから読み返した記憶はないが、おおまかな話の流れは覚えている。 うさぎが作ったワンピー…

たねだ・みえ
2か月前
1
KOMOREBI

KOMOREBI

映画「PERFECT DAYS」を3回観た。

役所広司さん演じる主人公の男性は
台詞があまり多くない
言葉少なにただ生活をおくるその姿は
不思議とずっと見ていられる
惹かれるものがある

演じているにはあまりにも自然体で
一般人の佇まいにはあまりにも豊かで、美しくて

映画の中、男性は毎日ルーティンをこなす
仕事をして、いつも同じお店に行く
そんな彼が物語の終盤で
「何も変わらないなんて、そんな

もっとみる
秋、しみこみ中

秋、しみこみ中

助手席に座ったら秋を感じた。
夏のこもった熱気が無い。

すぐにでもエンジンをかけて、エアコンをごうごうと効かせなくても平気だった。

玄関を開けて感じる涼しい風よりずっと
身に染みる秋の空気だった。

この頃の秋は短い。
もう10月だというのに
まだ昼間は半袖で過ごせてしまう。
それでも朝晩は随分涼しくなった。

ながい夏の余韻の中で
ひとつひとつ秋らしさを拾っていくのは
ちょっと楽しい。

もっとみる
初めての図書館で

初めての図書館で

初めて入る図書館とは
なぜこんなに心が踊るのか

建物の重厚感と解放感
古い本 新しい本
本屋ではなかなか見かけない、専門書
そのどれにも心くすぐられる

どの図書館もこの世のすべての本は並べられていない
何が無くて何が有るのか
それを見るのも面白い
もちろん新しい本との出会いはたまらない

けれど、再会もまたとても嬉しいもので

図書館には少しだが漫画を置いている施設もある
図書館にある漫画には

もっとみる
花より団子よりお品書き

花より団子よりお品書き

先日、古民家カフェへ行った。
古い民家を使った店内には本棚や蓄音機が置かれ、趣のある素敵な空間が作られていた。

私と友人が通された席は縁側のロッキングチェアだった。
窓の外には柿の木があり、木漏れ日を浴びながらロッキングチェアに揺られる。
注文したスコーンもコーヒーも美味しい。
店主の笑顔も素敵。
あぁ、なんとも贅沢な時間。

そんなカフェで一番印象に残ったものがある。
メニューだ。

そのカフ

もっとみる
遅い秋の思い入ること

遅い秋の思い入ること

少し前まで悪口をよく聞く環境にいた
不満や愚痴ではなく、相手を馬鹿にしている言葉を並べたものだ

誰かを見下したその会話が大嫌いで、
離れることができてよかったこの頃

新しい環境で厳しい言葉をかけられたつい先日
とにかく文句を言いたいだけでは?と
言いたくなるくらい日に何度も頭を下げた先日

厳しいその人が去った後、
「今の言い方、キツいよね。」
と言ってくれる人がいた。

どれだけうれしかった

もっとみる
歌を読まない

歌を読まない

私は邦楽以外をあまり聴かない
外国語がわからないから

流行りの洋楽を「ららら…」と口ずさむことはあるけれど、好きだと言えない
何を言っているのかわからないから

英語で歌う邦楽アーティストも和訳を読んでから好きだと言うようになった

歌詞の言葉を聞き取りたいと思う
だってそれが歌に込められた想いだから
それを受けとって初めて、ちゃんと「聴けた」ことになると思う
自分は歌に対してそう考えていたし、

もっとみる
広間の上手から

広間の上手から

小さな朗読劇を観た

舞台も客席も無い 小さな劇

観客と役者の距離は3、4mほどで
こんなに近くで演技をする役者さんを見るのは初めてだった

まず、舞台というもの自体あまり縁がないので
それはそれは新鮮だった

カメラワークがない
劇場は、どこから観るか、自分がどこを見るかで映るシーンが変化する
ドラマのように話している人物にカメラが寄ることがない
ただそばで立ち尽くす人を見ていてもいい

席に

もっとみる
のれんで骨折

のれんで骨折

久しぶりに会えた友人と3時間以上話して
帰り、体がとても重かった

なんなら翌日も重かった

近況報告し合って
そこそこ笑って
とりとめのない話をして
美味しいものを食べた

友人と別れてから、
言えなかったことや
言わなくてもよかったことばかり数えた
そんな自分が貧しく思えて
友人の笑顔を思い出す
笑ってくれたなぁ
と考える

たのしかった

のは、確かなのだ

私、彼女から何を聞きたかったんだ

もっとみる
フルーツピック

フルーツピック

木製のフルーツピックがあった
星がついていた

ぬいぐるみ用の魔法の杖のようなそれを手に取ってみる

フルーツピックってかわいい
フルーツのあざやかさに負けないくらい
かわいいでしょ!って主張するデザインのものが
多いと思う

すべすべの木製で
てのひらサイズで
お星さまがついていて
今まで私の生活に無かったものだ
なんかいいなぁ…

わかっている
これがとっても魅力的なのは
ここが小さな雑貨屋さ

もっとみる
街路樹の素

街路樹の素

今日走った道はきらいじゃなかった

初めて通る道だったけど、不思議と落ち着いていた

背の高い街路樹が多い道だった
背の低い建物が多い道だった

自分は都会で暮らすほうが向いていると思っていた
地元よりも市街地に越してきたが、なかなか慣れずにいる

少し走らせて、少しだけ田舎道を行くと緊張がとけるようだった

まだまだ私の心は大きな木の元
のびた雑草のかげでうずくまっているんだと気づく

整えられ

もっとみる
シナモンをたっぷりと

シナモンをたっぷりと

はじめてキャロットケーキを食べた

これは、
この名前じゃなければ、ニンジンが入っているなんてわからないな

オレンジ色のつぶつぶが見えて
ニンジンだ って思った
知らなかったら
このオレンジは何に見えていたんだろう

オレンジかな

シナモンの香りがひろがる
茶色い生地にしっとりほろほろスパイシー

小さな何かがたくさん入っている
シナモンケーキだ

上にはクリームチーズのフロスティング

フロ

もっとみる
水色アイシャドウ

水色アイシャドウ

水色のアイシャドウ

持ってますか?

映画を観た

ドーナツをほおばりながら
ファッション誌を読むネイリストが可愛かった

まぶたが水色だった とても似合っていた

私は水色のアイシャドウを持っている

けれど、ほとんど使えていない

似合わないだろうと思う色は手放すことができる

だけど、水色は

ドレスアップの色だと思うから

私には似合わないかもしれないけど

私じゃないものになりたいとき

もっとみる
手首のメモリー

手首のメモリー

初めて使うケトルでコーヒーを淹れようとしたら、お湯がどばっと出てしまった。

慣れてくると水が細い線を描いてゆっくりとぽとぽと注ぐことができるようになった。

料理に慣れるまでは目分量などわからない
始めて入る和室の障子を引く力加減がわからない
他人の家の水道レバーに込める力がわからない

手や指先には専用のメモリカードがあるかと思うほど
たくさんのことが記憶されている

見るだけでは覚えられない

もっとみる
パフェをインストールする空き容量がない

パフェをインストールする空き容量がない

パフェのこと知った気でいる。

見た目が華やかで、甘くて甘すぎなくて美味しくて、季節ごとに旬のフルーツが使われている…
イメージやざっくりとした知識はあるけど
今までの人生のうち、パフェを食べた回数は片手の指で足りる程しかない。

パフェってテレビや雑誌で特集されるだけでなく、可愛い雑貨にワンポイントでイラストが入っていたりするから身近に感じますよね。

いや、思うより無いよ。メニューに立派なパフ

もっとみる

「ぱやららん とふ」

意味のない言葉を浮かぶまま声にすることがある。

「なほなほしてた」
「つるするすんや」とか。

何言ってるか自分でもわからんが。

この、「とくに考えもせずに出した音たち」はそのまま何にもならずに空気にとけますが
こういうようわからん音たちをぽろぽろこぼしていくうちに思いもよらぬ流れをつくり
おや、これは物語!になっていたりする

ほわやぁ ぷけぷけ

と、たとえばこれが、今わたしが落としたコピ

もっとみる

「わたしのワンピース」は私の…

幼い頃お気に入りだった絵本といえば「わたしのワンピース」だ。
小学校にあがってから読み返した記憶はないが、おおまかな話の流れは覚えている。
うさぎが作ったワンピースの柄がころころ変化するのだ。

生活環境や仕事の変化に疲れていた私は、あたたかくて懐かしいものに飢えていた。
図書館に行き「わたしのワンピース」を手に取った。

素敵だ。
白いワンピースに映る景色が、どれも素敵。
幼い頃はこのワンピース

もっとみる