【映画感想】『エイリアン:ロムルス』4DXのライド感がヤバい件
『エイリアン:ロムルス』製作 リドリー・スコット、監督 フェデ・アルバレス
8月末『エイリアン:ロムルス』の試写会に招待いただきました。大変喜んで豊洲のららぽーとにあるユナイテッドシネマズに行ってきました。
地獄のクソ社会から抜けだせ!
『エイリアン』シリーズは、人類が宇宙に進出して他の星にも行けるようになった未来が舞台。主人公のレインは鉱山のある惑星で労働しています。
企業が支配する遠い惑星だからか、基本的人権は守られておらず、鉱山の労働環境は劣悪。レインの両親もおそらく、その環境で身体を壊し亡くなっている様子。現在は労働者仲間の若者たちと、拾ったアンドロイドを血の繋がらない弟として暮らしています。
レインは苦しい労働を頑張って惑星を出られる資格をゲットできるはずでしたが、運営が予告無しのルール変更。このまま会社に従って働き続けると、自分も両親と同じく使い捨てにされる予感がよぎります…
レインと仲間たちは、地獄の労働から抜け出すべく、惑星間移動用の冷凍カプセルがあるらしい、惑星の衛星軌道上に廃棄された宇宙船に乗り込みます。
地獄から抜け出した先も地獄!
ハラハラの閉鎖空間スリラー
無限労働から逃れたレインを待っていたのは、また地獄だった。
宇宙船の廃墟に残されていた最悪の怪物。
世界を支配する企業が生み出した怪しい薬品。
悪徳と野心、やりすぎた経済的自由主義とをコンクリートミキサーにかけてブチまけた、
ここは宇宙のリアル脱出ゲーム(ミスると死ぬ)
『エイリアン』シリーズは何作も作られており、映画のテイストは作品毎に異なります。その中では、SF娯楽アクションのテイストが強い『エイリアン2』(1986.監督 ジェームズ・キャメロン)の一般的人気が高い傾向があります。
ですが今回の『エイリアン:ロムルス』は、一作目『エイリアン』(1979.監督 リドリー・スコット)のテイストを重視。暗い宇宙船の閉鎖空間の中で恐ろしい怪物から逃げ回る、閉鎖空間スリラー/SFモンスターホラー映画となっています(歓喜)
怪物の造形そのものが恐ろしいのはもちろん。逃げ場のない狭い宇宙船の中で怪物に追いかけられるスリル。そして、怪物の性質を観客に先に見せつつ主人公たちの選択ミスから最悪の事態が起きるのを予感させるサスペンスの演出が上手く、ドキドキハラハラの連続です。
これはもうダメじゃないかな?と思わせる、絶対絶命の無理ゲーが楽しめます。
4DXがアトラクションライド
『エイリアン:ロムルス』はモンスター映画として普通に傑作です。さらに、4DXで観ると一段と楽しめます。
4DXは、座席の振動、場内のフラッシュや煙など様々な仕掛けで映画の臨場感を増幅。アトラクション的に楽しめる上映方式です。
4DXの仕掛けと作風がマッチした時に増幅される感動には、もの凄いものがあります。
2020年に4DX版としてリバイバル上映された『機動警察パトレイバー the Movie』(1989.監督 押井守)は、事件が核心に近づき深刻な事態になるのに合わせ東京に近づいてくる、首都直撃の台風が印象的な作品です。
4DX版では、その台風の「風」を実際に体験。台風が近づくほど場内に雨風が吹き荒れるという4DX演出が素晴らしく、「楽しすぎて泣いちゃった…」というレアな経験をしました。
『エイリアン:ロムルス』も4DXに大変マッチした作品です。宇宙船の中を逃げ惑う場面はグッラグラのライドアトラクション!座席から振り落とされるかと思いました。
『エイリアン』シリーズのファンには、噴出したら複数の意味で大変危険なことになる怖い液体がおなじみです。今作でもその液体は効果的な場面で出てきます。4DXでは、その絶対ダメなあの液体が、顔面に降りかかります。これは行くしかない。
もう観た人も今すぐ4DXに行けー!
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