10・『蜘蛛は芸術家』
10・『蜘蛛は芸術家』
㈠
いつだって蜘蛛は、芸術家だった。それは、自然と一体となった、芸術である。俺は今日も、プランターの野菜に張った蜘蛛の糸を少し払ったが、蜘蛛には危害を加えていない。
㈡
何れ、蜘蛛はまた、違うところに、糸を張るだろう。それは確かに、芸術なんだ。俺は何度、その芸術を見て、救抜されたことか。そう言った点でも、蜘蛛はすごい。
㈢
蜘蛛は、やはり芸術家だ。しかも、凄腕も芸術家である。人工的にあのようなものは創れないだろうから、それは、天地創造の神にしか分からない理であるのだから。